介護のキホン
医療・健康・介護のコラム
有料老人ホーム「介護付き」と「住宅型」はどこが違うの?
介護を受けながら暮らす選択肢の一つが「有料老人ホーム」です。2020年時点で、全国に約56万床あります。
有料老人ホームは大きく2種類。「介護付き」は職員が常駐し、24時間体制で介護サービスを受けられます。「住宅型」は入居者が必要に応じて介護事業者と契約します。
東京都板橋区の介護付き有料老人ホーム「SOMPOケア ラヴィーレ光が丘公園」では、約60人がそれぞれ広さ約20平方メートルの個室で暮らしています。各部屋にベッドや洗面台、トイレがついています。
午前中に近隣を散歩するのが日課で、昼食後には体操や書道、水彩画といったレクリエーションが行われます。ホーム長の宮本和成さん(37)は「生活のメリハリがつくよう心がけています」と話します。
有料老人ホームの契約は、「施設での居住と、介護や生活支援などのサービスを受ける権利」を一体的に結ぶのが一般的です。家賃や管理費、食費などが月々の費用として必要で、「介護付き」で月10万~50万円程度、「住宅型」は月10万~30万円程度。設備の充実度や立地などで、かなり幅があるようです。
一時金として、入居時に、数年分の家賃などの支払いが必要なケースもあります。
このほか、「介護付き」は、定額の介護費がかかります。東京23区内の施設で自己負担が1割だと、要介護1で月1万7593円、要介護5では2万6389円。職員の配置が手厚い施設など、追加の負担が生じる場合もあります。
「住宅型」は、契約した介護サービスに応じて1~3割の自己負担分を支払います。
有料老人ホーム以外にも、バリアフリー構造の賃貸住宅「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)が約27万戸あります。安否確認と生活相談が基本サービスで、ほとんどは食事の提供もしています。
サ高住は、「介護サービス付き」ではない点に注意が必要です。「住宅型」の有料老人ホームと同様に、必要になった時に入居者が介護事業所を選んで契約します。
賃貸借契約を結ぶケースが多く、敷金も必要です。費用は家賃、管理費、基本サービス料で月5万~25万円程度。ほかに、食事代が月4万~6万円かかるのが一般的です。
有料老人ホームやサ高住は介護の必要性が低いうちから入居できます。ただ、多くの施設があり、どれを選ぶかは難しい問題です。公益社団法人全国有料老人ホーム協会(東京)の担当者は「費用やサービス内容をよく確認し、実際に見学してスタッフや入居者の雰囲気を確かめることが大切です」と助言します。
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