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がんのサポーティブケア

医療・健康・介護のコラム

がんのリハビリテーション 治療前の予防から末期の緩和まで 治療に伴う合併症を軽減 患者の生活の質を保つ

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すべてのがん種が保険適用に

――どんながんや症状がリハビリの対象になるのでしょうか。

 基本的にはすべてです。

 がんの時期の違いによる分類としては、「予防的」「回復的」「維持的」「緩和的」の4段階があります。「予防的」は治療前の段階、「回復的」は治療中や手術後に起きる問題に対して、「維持的」は進行中のがんや再発したがんに対する治療中の患者さんに対して、「緩和的」は根治を目的とした治療の段階を過ぎた患者さんに対するものです。それぞれの時期ごとに、リハビリの目的は異なります。

――がんの種類別ではどうですか。

 10年にがんリハビリの診療報酬が新設された時点では、泌尿器科系、婦人科系の手術前後のリハビリは、保険適用から外れていました。しかし、20年の改定で、がんの種類に関係なく、保険適用になりました。在宅復帰を目的とした緩和的なリハビリも対象になりました。

保険適用は入院患者のみ 外来や在宅への適用拡大が課題

――すべてのがん種で保険が適用されるようになったのですね。

 ただし、問題なのは、現状では保険適用の対象が入院中の患者に限られていることです。

 近年では手術での入院期間が非常に短くなりました。退院する時点では術前の体力が戻っていないことが多く、退院後も体を動かし続けることがその後の生活の維持に極めて重要です。

 抗がん剤治療も通院で行うことが増えました。治療中から適切な運動、栄養療法を行うことが大切になります。通院や在宅でも保険でリハビリを受けられるようになることが、これからの課題だと考えています。

――リハビリというと、脳梗塞(こうそく)後のまひや整形外科的な治療後のイメージが強いのですが、がんのリハビリにはどんな特徴がありますか。

 がんの種類や治療の内容、病期によって異なります。たとえば、肺がんや食道がんの手術では、術後に肺炎を起こす恐れがあります。そこで、術前から呼吸リハビリを行ったり、栄養や運動で体力を保ったりすることで、合併症の発生を抑えるように努めます。こういったリハビリは、術前リハビリや治療前リハビリと呼ばれます。

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がんのサポーティブケア

 がんやがん治療に伴う副作用が及ぼす痛みやつらさを和らげ、がんと闘う患者を支えるのが「がんのサポーティブケア(支持医療)」です。手術や放射線、薬物療法をはじめとする、がんを治すための医療と車の両輪の関係にあります。この連載では、がんに伴う痩せの悩みや、治療に伴う副作用、痛みや心のケアなど、がんのサポーティブケアが関わるテーマについて月替わりで専門家にインタビューし、研究の最前線や患者・家族らへのアドバイスについて伺います。

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