産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」
医療・健康・介護のコラム
自分ではわかりにくいストレス過剰……コーヒーの飲み方が変わるのもサイン

イラスト 赤田咲子
「ストレスは人生のスパイス」です。だから適度には必要なもの。問題は過剰ストレス状態に気づき、対処することです。では、どうすれば、自分のストレスの度合いがわかるのでしょうか?
40歳の営業課長、コロナ禍で課員2人減員
木田太郎さん(仮名)は40歳、サービス関係会社の営業部第一課長(課員10人)です。不況で会社は「選択と集中」を目的に、リストラ(事業再編成)として不採算事業の統合と切り捨てを始めています。ボーナスも以前は年間4.5か月でしたが、3か月に減少しています。
定年退職とリストラで1人ずつ、計2人の部下が減りました。仕事が増え、それぞれにしんどそうです。課長なので何とかしなければと思って、頑張ったため、時間外労働は月に100時間を超えた時もありました。頭をスッキリさせたいので、コーヒーを飲む回数が2回から5回に増えているようです。
帰宅してもくつろげません。なぜなら仕事の興奮が冷めやらず、頭がカリカリしているからです。しかも眠りも浅くなっています。
趣味の仲間とバッタリ出会って
険しい表情で帰宅する夫のことを妻も心配しています。先日、彼は久しぶりに趣味の仲間と偶然、出会いました。喫茶店で、しばし談笑。その時のやり取りです。
友人 : 久しぶりだな。囲碁の会、最近ご無沙汰だね。忙しいのか?
木田さん: すまん。ご多分にもれず、課員が減って残業続きだからな。
友人 : お前の会社もリストラか。わが社もそうだな。新型コロナ禍が続いているからだろう。疲れていないか?
木田さん: そんなこと、言っていられないよ。
友人 : わかる。でも元気がないようだし。ストレス、たまっていないかい?
木田さん: 自分ではわからない……。
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