エッセイスト 小島慶子さん
一病息災
[エッセイスト 小島慶子さん]ADHD(2)「何度言っても遅刻」と叱責され、ふて腐れて余計に怒られ…
ADHD(注意欠如・多動症)だと知らなかった若い頃、普通のことがなぜできないのかと、自分を責めてばかりいた。
TBSのアナウンサー時代、伊豆大島行きの飛行機に自分だけ乗り遅れ、ロケ隊を何時間も待たせてしまったことがある。
スケジュールの管理が苦手。「だらしない」「何度言っても遅刻する」と 叱責 されては、自暴自棄になってふて腐れ、余計に怒られる。悪循環だった。
一方で、何かに集中すると、文字通り寝食を忘れてしまう。原稿を書き始めて気が付いたら朝になっていたことも。何も食べずに痩せ細り、過労で倒れたことも何度かある。
ADHDの診断を受けて良かったのは、それが理由かもしれないと考えることで、周囲に説明しやすくなったことだ。
例えば、マネジャーには、本当の集合時間よりも早い時間を教えてくれるように頼んでいる。
「『一度言ったから、たぶん大丈夫』だと思わずに、『決して私を信用しないで』とお願いしてます」
家庭でも、何かに集中している時に話しかけられると、何も覚えておらずに家族をよく困らせた。
2人の息子は、大学生と高校生。「今は、『ママにはこんな特徴がある』とよく分かってくれていて、助かっています」
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エッセイスト 小島慶子 さん(49)
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