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子どもの感染で家族孤立、親子入院の専用病床が不足…[検証コロナ 第5波の教訓]<5>

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 5畳ほどの子ども部屋。タブレット端末で動画を見ていた6歳の兄に、2歳の弟が笑顔で抱きついた。「うつるから駄目」。母親(31)がそう言って弟を抱き、部屋を出た。4人家族が兵庫県東部の自宅マンションに籠もって数日がたった。「子どもはじっとしていられない。家族全員が新型コロナウイルスに感染するかもしれない」。母親は不安に駆られ、うつむいた。

 今年9月、小学1年の長男の陽性が判明した。学校で感染したとみられる。長男は軽症で自宅療養となり、陰性だった自身と夫(35)、次男は保健所から自宅待機を求められた。長男を子ども部屋に半ば隔離し、生活用品の使い分けやトイレなどの消毒も徹底。しかし、幼い兄弟は隙をみて一緒に遊んだ。長男を一人にできず、結局は、感染覚悟で普段に近い生活を送らざるを得なくなった。

 「長男と次男は大丈夫だろうか。ワクチンを接種した自分と夫も安全とは限らない」。床につくと不安が募った。外出できずに不安定になった次男を車に乗せ、深夜、街を巡った。

 家計にも影響が出た。長男は10日後に登校を再開。一方、結果的に感染しなかった自身と夫、次男も濃厚接触者としてさらに2週間の自宅待機を求められた。在宅勤務ができた夫と違い、自身は福祉関係のパートを24日休み、10万円の減収となった。「感染を知られたくないので、周囲に相談できない。子どもが感染すると家族が社会から孤立する。情報や行政機関の支援が必要」。母親はそう訴える。

  ■5倍超

子どもの感染で家族孤立、親子入院の専用病床が不足…[検証コロナ 第5波の教訓]<5>

 第5波では、感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の 蔓延まんえん で、かかりにくいとされた子どもに感染が広がった。厚生労働省によると、8月19~25日の1週間に確認された20歳未満の感染者は3万427人にのぼり、過去最多だった第4波のピーク(5月13~19日)の5倍超に達した。

 医療 逼迫ひっぱく などを防ぐため、国は子どもであっても、軽症なら自宅療養の方針をとっており、家族が看病するしかない。親子の片方が陰性でも一緒に入れる病院や宿泊療養施設が十分あれば、親の負担軽減や家庭内感染防止につながるが、現状では不足している。厚労省は今月になってようやく、自治体に、家族ら向け専用病床や宿泊療養施設の確保などの態勢づくりを要請した。

 小児病棟を持つ河北総合病院(東京)は、病床に余裕がある場合に親子入院を受け入れてきた。岡井隆広副院長は「コロナ専用の小児病棟がない病院で親子入院は難しい。小児科がある病院が連携し、受け皿になる必要があるのではないか」とする。

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