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[衆院選2021]「ウィズコロナの医療体制、具体的な議論を」高橋泰・国際医療福祉大教授

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 衆院選の公示が19日に迫った。主な論点について、識者に考えを聞いた。

[衆院選2021]「ウィズコロナの医療体制、具体的な議論を」高橋泰・国際医療福祉大教授

高橋教授。1959年生まれ。金沢大医学部卒。東大大学院修了。専門は医療政策、医療制度。国際医療福祉大教授、同大医療福祉学部長を経て昨年4月から大学院教授。62歳

 新型コロナウイルスの感染者数は減ったが、コロナ対策は今回の選挙戦で最優先のテーマだ。緊急時の医療体制について、しっかりと議論してほしい。

 わが国の「平時」の医療は、価格に対する質の高さで世界一と言える。だがコロナ禍では、感染者数や死者数が欧米より圧倒的に少ないのに、医療が 逼迫ひっぱく した。感染力が強く、重症化しやすいデルタ株が広がった第4波と第5波では、ワクチンがなければ完全に医療崩壊していただろう。

 逆に、昨年までの感染力なら、開業医を含む地域全体の医療従事者の協力体制を整えることで、緊急事態宣言などの対策を緩めても乗り切れた可能性はある。

 重要なのは、その時の感染規模や感染力などの「レベル感」を見極め、見合った対策を講じることだ。政府には、この姿勢が欠如していたのではないか。

 今後、国民の行動が活発化すれば、再び感染者は増えるだろう。ワクチン接種をさらに進めることが肝要だ。接種すれば、仮に感染しても重症化することは少ない。いずれ経口治療薬が使えるようになれば、コロナと共存し、社会経済活動との両立も可能になる。

 その時、感染の徹底的な抑え込みを目指す対策を続けた方がいいのか。「ウィズコロナ」段階の医療体制は、どうあるべきなのか。各政党には、ぜひ具体的な議論を求めたい。

 より深刻な感染症や大災害に備える中長期的な医療提供体制の整備も、選挙における重要なテーマだ。

 岸田首相は「人流抑制や医療資源確保のための法整備」を掲げ、野党も国の権限を強める法制化を訴える。「臨時医療施設」の開設も複数の政党が主張する。欧米のようにダイナミックに対応するために、こうした対策は必要だろう。

 特にわが国で問題になったのは、病床よりも医師や看護師らマンパワーの不足だ。例えば、国や都道府県が、平時から複数の民間病院や医療スタッフと契約を結び、非常時には病床を転換させ、スタッフを従事させる。必要なコストは国が負担する。こうした方法を検討してはどうか。

 地域の医療資源の需要と供給を即時に把握し、マッチングさせるデータベースの構築も不可欠だ。

 感染対策と社会経済活動を両立させるため、データに基づき感染レベルに応じた政策を論じることに期待したい。(聞き手・編集委員 山口博弥)

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