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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

妊娠・育児・性の悩み

大人もかかる虫垂炎 みぞおちの痛み「食べ過ぎ」と勘違い…放置して悪化、腹膜炎も

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 30歳代後半のQさんは、便秘や逆流性食道炎の症状で定期的に受診されている。胃の内視鏡検査も年1回は受けていて、逆流性食道炎はごく軽度という所見だが、ストレスがあると胃痛が起こりやすい体質だ。

 その日も胃痛があると来院された。前日の夕食後2時間ほどでみぞおちが痛くなり始め、夜中は体をくの字に曲げて苦しみ続け、熱も38度あったという。

 来院時には痛みはだいぶ軽快し、熱は36度台の平熱だった。おなかの診察をさせていただくと右下腹部に痛みがあり、急性虫垂炎いわゆる盲腸が疑われた。

抗菌薬で“散らす”

 急性虫垂炎は子供の病気と思っている方もいるが、大人でも結構起こる。しかも半日や1日程度で症状が治まってしまい、食べ過ぎだったのかもしれないと勘違いしたまま時々繰り返し、気づかないで過ごしていることも多い。

 Qさんに血液検査と腹部CT検査を受けてもらった結果、虫垂炎と確定診断ができた。今回は抗菌薬を数日内服してもらうという、いわゆる“薬で散らす”という治療をしたところ症状は軽快した。

 このところコロナ感染の蔓延(まんえん)もあり、緊急手術はなるべく避けたいところだが、虫垂炎は再発を繰り返すことが多く、炎症が一気に悪化し虫垂に穴が開いて腹膜炎を起こすと大ごととなる。炎症の程度と再発の可能性を考慮に入れて外科の医師と手術について相談したほうがよいだろう。直接外科への受診がためらわれる場合はかかりつけ医とよく相談することをお勧めする。

2か月後に手術

 Qさんはいったん症状が落ち着いてくれたので、2か月後、腹腔(ふくくう)鏡による手術を受けた。盲腸の一部にある虫垂の場所は通常右下腹部あたりなのだが、人によってはおへその近くに存在していることもある。また急性虫垂炎は症状が初期のうちはみぞおちの痛みであったり、炎症によっておなかの動きが悪くなり吐き気や嘔吐(おうと)を生じたりする。

 つまり、時折繰り返す胃痛や嘔吐などを胃が弱い体質とか、食べ過ぎだったためと自己診断し、虫垂炎を見過ごしている可能性もあるのだ。できれば痛みが生じたら、治まらないうちにかかりつけ医を受診してみてほしい。(常喜眞理 医師)

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に「オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方」(すばる舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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