お知らせ・イベント
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好きなこと、やりたいこと、を仕事に 障害者のアート作品集② スタジオクーカ
神奈川県平塚市の福祉施設「studioCOOCA(スタジオクーカ)」は障害がある作家たちの制作の場だ。知的、精神、身体の障害がある約100人が所属し、絵画や工作、手芸など、思い思いのアートに取り組んでいる。前身の工房「絵(かい)」から数えると、その歴史は約30年に及ぶ。好きなことや得意なことを仕事にする選択肢を作ろうと、展示活動や関連商品の販売などに積極的に取り組んできた。看板作家4人の作品を紹介する。(作品紹介文は、スタジオクーカの執筆)
岩本義夫「金髪のおねえちゃん」2017年
1953年生まれ。COOCAに通い、初めて絵を描いた。「金髪のおねえちゃんしか描きたくない」と言い、雑誌を片手に大胆な筆遣いと色遣いで一気にCOOCAの人気作家になった。中でもハイブランドの広告を好んでモチーフに採用している。若いころは父親の左官屋を手伝っていた。その後長く発破屋をやっていて天職だったが、喧嘩別れして辞めてしまったという。たまに「べらんめえ調」が出るが心優しい兄貴肌。
山本頼子「roseapink」~2014年
1975年生まれ。工房「絵」設立当初から通うCOOCAのベテラン作家。スターバックスコーヒージャパンの店内装飾や、生地メーカーKOKKA×homecraftのデザインに作品が採用されるなど採用歴多数。化粧品や花をテーマに選び、ペンでラフに線を引く。色選びには特にこだわっている。紙に顔をくっつけてインクを染みこませるのを楽しみ、葉脈のように区切りながら塗っていく。時々添えられる文字はほんわか優しい印象で作家の人柄を表している。
横溝さやか「大阪天国」2017年
1986年生まれ。競馬・牧場・世界名作劇場をこよなく愛する。ブラックユーモア溢れるオリジナル紙芝居「ピ・ヨンジュとオレ三世シリーズ」や「世界旅行シリーズ」などを制作。丁寧にアウトラインを描き、色を塗る。登場するキャラクターはだれもが主役のようにそれぞれに違った動作、表情をしている。声を使い分けた朗読が得意で紙芝居公演も行なう。2017年、文部科学省より障害者の生涯教育推進のためのスペシャルサポート大使に任命される。
大野晋平 無題 2014~2019年
1993年生まれ。色鉛筆を自らのこぎりで短くカットし横向きに歯でちぎり、取り出した芯で紙や木に描く。数字やひらがな、記号が並ぶ「構図がほぼ同じ複雑な作品」を多数描いている。製作中、ヘッドフォンを着けて楽しそうに首を振ってジャンプしているのでロックを聴いているのかと思ったら童謡を聞いていた。COOCAに通い始めた当初は勢いよくゴミ袋に紙や本を収集してまわっていた。彼のありあまるエネルギーを前向きに変換するべく職員とメンバーで結成した太鼓の会「ダラダラーズ」をバックに、気分が乗ったときだけ描くフリースタイルなライブペイントも好評。
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