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大人の健康を考える「大人び」

医療・健康・介護のコラム

幸福長寿のすすめ(13)「食べる」「動く」「考える」を測る…フレイル健診で変化を自覚

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  このシリーズでは、大阪大老年・総合内科学教授、楽木宏実さんに聞きます。(聞き手・山崎光祥)

幸福長寿のすすめ(13)フレイル健診 体の変化自覚

 要介護の手前の「フレイル」をいち早く見つけるため、国は2020年、15項目の質問に答える「フレイル健診」を75歳以上の後期高齢者を対象に導入しました。これまでの回でもフレイルや、それと同様に重要な「ロコモティブシンドローム」の目安を紹介しましたが、今回は主な質問項目の医学的な意味を解説します。

 人間にとって「食べる」「動く」「考える」の三つは生きるための基本的な機能です。質問票はそれらを中心に、かかりつけ医でも気づきにくい心身の変化を自覚するきっかけになります。

 まず「食べる」では、かむ力を「半年前に比べて硬いものが食べにくくなりましたか」という質問で調べます。肉や根菜類を含むバランスの良い食事を続けて低栄養になるのを防ぐには、硬めのものも食べられる必要があるからです。

 「お茶や汁物等でむせることがありますか」は、のみ込む力が主眼です。飲み物などが気管に入り込む「 誤嚥ごえん 」を起こし、肺炎になるリスクを測ります。

 「動く」に関連した「運動を週に1回以上していますか」は、運動習慣に関する質問で、家族や住環境、病気などで運動できない状況になっていないかを探ります。

 「考える」では認知症の兆候を「今日が何月何日かわからない時がありますか」などの質問で確かめます。今日が10月の5日か6日のどっちか迷うくらいなら大丈夫ですが、「9月だったかな」という状態であれば問題です。

 結果で気になる点があれば、かかりつけ医に相談しましょう。

楽木宏実さん

【略歴】
 楽木 宏実(らくぎ・ひろみ)
 1984年、大阪大学医学部卒業。89ー90年、米国ハーバード大学、スタンフォード大学研究員。2004年、大阪大学大学院加齢医学助教授、07年から同老年・腎臓内科学教授。内科学講座の改組により15年10月から現職。

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