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「猫の世話をする人いない」と入院固辞、自宅療養続けた男性死亡…「人ごとじゃない」の声

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 新型コロナウイルスに感染して入院や宿泊療養となり、ペットの預け先に悩む人が増えている。知人やペットホテルを頼れず、自治体に相談する人も少なくないが、受け入れる公的施設がない地域もある。第5波の渦中には、熊本市で飼い猫の預け先がなかった男性が自宅療養中に死亡した。専門家は「飼い主は、いざという時に備え、きちんと考えておいてほしい」と呼びかけている。(南暁子)

SNSで

「猫の世話をする人いない」と入院固辞、自宅療養続けた男性死亡…「人ごとじゃない」の声

防護服を着用して犬の世話をするペットホテル「ヘイドッグズ」のスタッフ(右)(大阪府豊中市で)=長沖真未撮影

 全国の感染者数がピークにさしかかっていた8月半ば、熊本市で猫を飼っていた一人暮らしの50歳代男性が自宅療養中に亡くなった。

 市の発表によると、男性は8月13日に感染が判明。16日に容体が悪化し、市は入院を勧めたが「猫の世話をする人がいなくなる」と固辞した。「預け先は自分で探す。本当に体調が悪くなったら連絡する」と自宅療養を続け、19日、保健所と連絡が取れなくなり死亡が確認された。

 市の発表を受け、SNSでは投稿が相次いだ。「人ごとじゃない」「自分も同じことをするだろう」「旅行などで家を空ける時に頼める人はいても、コロナは話が別。預かる側にもリスクがあるから 躊躇ちゅうちょ する」

 その後、市の保健所と動物愛護センターは対策を協議。自宅療養者が預け先を見つけられない場合、センターが動物病院などを紹介する運用を始めた。

プレハブ運用

 一般社団法人ペットフード協会の推計では、全国で猫は約960万頭、犬は約850万頭がペットとして飼育されている。それぞれ6、7世帯に1頭ずつ飼われている計算になる。

 コロナ禍を受け、環境省は昨年4月に各自治体に公的施設でのペット受け入れを検討するよう通知しているが、対応はまちまちだ。

 東京都は、日本財団が整備したプレハブ棟140室を借り受け、昨年10月からペット同伴で利用できる宿泊療養施設として運用。8月下旬までに約1000人が利用した。鳥取県では、犬と猫に限り、県指定の動物病院で預かっている。

 一方、大阪市は自身で預け先を探すよう求めており、担当者は「市営施設は、飼い主不明の犬猫の保護という本来業務で余裕がない」と打ち明ける。広島市でも第4波、第5波のピークには連日相談があったが、市内の民間業者を紹介するにとどまっているという。

ホテル

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 民間ペットホテルも、感染者からの預かりについては対応が分かれている。

 大阪府豊中市の犬専門のペットホテル「ヘイドッグズ」は昨春から、利用者の相談に応じて預かるサービスを始めた。感染予防のためスタッフが防護服を着て、他の犬と接触しないよう個室へ運び、シャンプーをしてケージに移す。これまでの利用は5件と多くはないが、畑中学社長(46)は「飼い主が安心して療養に専念できれば」と話す。

 一方、神戸市内のペットホテルは「他の利用者に不安を与えかねない」と預かりは実施していない。

 日本愛玩動物協会の竹田千寿・学術研究課長は「コロナ感染は災害と同様、誰の身にも起きうる。飼い主は利用可能なペットホテルや公的施設を事前に調べておく必要がある」と話している。

対策とれば知人もOK

 施設が見つからなければ、知人に預けることは選択肢の一つだ。ペットを介して感染が広がる恐れについて、東京都獣医師会の中川清志副会長は「リスクを理解して対策すれば、安全に預かれる」と話す。

 厚生労働省によると、これまで人から犬や猫への感染例はあるが、ペットから人への感染は報告されていないという。獣医師会は預かる際の留意点をホームページで公開。▽受け渡しは玄関先に置いてもらうなどして対面を避ける▽世話する際はマスクやメガネを装着し、こまめに手指を消毒する――といった内容で、「預かってから2週間は対策を取ることが望ましい」としている。

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