医療大全
医療大全
食道がん<1>新手術 体の負担少なく
「食道がんは進行が速い。がんを取りきるため、早めの手術をお勧めします」
2018年の年明け。東京都西東京市の内装業、稲葉寿久さん(51)は、東京大病院消化管外科教授の瀬戸泰之さんから、食道の大半とリンパ節を切除する外科手術を提案され、返事をためらった。体の負担は? 術後は仕事に戻れるのか? 軽い気持ちで受けた検診で診断されてから日も浅く、不安もあった。
食道は喉と胃をつなぐ約25センチの管状の臓器で、がんは内側の壁表面にできて外側に向かって進行する。稲葉さんのがんはやや深く、周囲のリンパ節に転移している可能性があった。
瀬戸さんが提案したのは、「 縦隔 鏡手術」という新手法だ。首元とおなかの数か所を小さく切り、左右の肺の間にある空洞(縦隔)を通じて食道に手術器具を入れる。瀬戸さんは手術支援ロボットを使う。最大の利点は、術後の肺炎のリスクが下がることだ。
この記事は読者会員限定です。
読売新聞の購読者は、読者会員登録(無料)をしていただくと閲覧できます。
【関連記事】