田村専門委員の「まるごと医療」
医療・健康・介護のコラム
「香害のないくらし」ブックレットを発行 日本消費者連盟
柔軟剤などの香りで
柔軟剤などの香りによって体調不良を訴える「香害」について、日本消費者連盟が2021年8月、ブックレット「香害のないくらし 柔軟剤にさようなら」を発行した。
説明によると、香害とは、柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの強い香りを伴う製品による健康被害のことをいう。体臭は含まれない。
症状は、頭痛、めまい、目や喉の痛み、せき、吐き気など様々で、香害がひどくなると化学物質過敏症を発症することも知られている。
嗅覚の感受性には個人差があるが、香り付きの製品を使っていた人が、ある時から体の不調を訴え、香害の被害者になることはよくあるという。同じにおいをかぎ続けている香り付きの製品の使用者は、自分の出しているにおいを感じにくい点など、喫煙者が自分のたばこ臭さが分からない点と似ており、「香害は第2の受動喫煙」とも言われるとしている。
消費者庁など5省庁が啓発ポスター
香りの害をめぐっては、消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省の5省庁連名による啓発ポスターが今年作成されている。
ポスターでは、「その香り 困っている人がいるかも?」として、「柔軟剤などの香りで頭痛や吐き気がするという相談があります」「自分にとって快適な香りでも、不快に感じる人がいることをご理解ください」と呼びかける。
そのうえで、「香りの強さの感じ方には個人差があります」「使用量の目安などを参考に、周囲の方にもご配慮いただきながらお使い下さい」としている。
合成洗剤の問題やせっけんの活用法についても
日本消費者連盟は2017年に電話相談「香害110番」を実施するなど、香害問題に取り組んできた。今回のブックレットは「香害110番」「ストップ!香害」に続く第3弾になる。
第1章での柔軟剤などによる香害の解説に加え、第2、第3章では、合成洗剤の問題やせっけんの活用についても詳しく説明した。
新刊ブックレット「香害のないくらし 柔軟剤にさようなら」(A5判・66ページ)は700円、送料別。注文は、日本消費者連盟(ファクス03・5155・4767、メールoffice.j@nishoren.org)へ。問い合わせは、03・5155・4765。(田村良彦 読売新聞専門委員)
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掲載ありがとうございます
七緒
「香害」のことを取り上げていただき、化学物質過敏症の当事者の一人として大変うれしく思いました。自分は人工香料やたばこに反応し、具合が悪くなります...
「香害」のことを取り上げていただき、化学物質過敏症の当事者の一人として大変うれしく思いました。自分は人工香料やたばこに反応し、具合が悪くなります。診断されるまでは身内の理解を得られず、診断が下りてからも周囲の理解が乏しく、いろいろと苦々しいエピソードはありますが、理解が得られにくい疾患で苦しんでいる人たちはたくさんおります。この記事がきっかけの一つになり、香害のことを考える機会を持っていただきたいです。
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