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[フリーアナウンサー 近藤サトさん](上)グレイヘアで全国ネット初登場の日、共演者やスタッフは「見えてないふり」
フリーアナウンサーの近藤サトさんは、2018年から白髪を染めずにメディアに登場するようになりました。フジテレビの黄金期を担ったスターアナウンサーの突然の「変身」は、社会に大きなインパクトを与え、「グレイヘア」はこの年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされました。それから3年、50代を迎えた近藤さんはいま、自身の髪とどう向き合っているのでしょうか。(聞き手・飯田祐子、撮影・小倉和徳)
きっかけは東日本大震災
――黒々とした髪の30代や40代でも、実は白髪を染めている人がたくさんいるそうですね。近藤さんのおかげでグレイヘアが注目されるようになって、初めて知りました。
私は20代からずっと染めてたんですよ。11年に東日本大震災が起きた時には、「被災したら美容院にも行けないのでは」と、防災用に白髪染めもしっかり用意しました。
防災リュックに詰め込もうとして、乾パンの隣に並んだ3本の白髪染めを見た瞬間、「私、こんな時にいったい何をやってんるんだろう」と思ったんです。
なんだか滑稽に思えて、初めて白髪を染めることに疑問を持ちました。それをきっかけに白髪染めをやめたいと思ったものの、事務所の社長は「まだそんな大御所じゃない」と。周りからも反対され、なかなか実行に移すことはできませんでした。
ようやく決心がついて染めるのをやめてからも、根本だけ白い中途半端な時期が1年以上続き、テレビ出演の際などはスプレーで隠していました。グレーの髪が生えそろい、初めて全国ネットのテレビ番組に出た時に、司会の坂上忍さんが「サトさん、それ僕すごくいいと思うな」なんて言ってくださったんです。
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