夜中に口が乾き眠れない
夜9時頃寝ますが、午前0時半頃、唾液が出なくなり口の乾きで、目が覚めます。口の中はガリガリで、朝までに10回くらい目が覚めます。1年以上、寝不足です。(70歳男性)
口呼吸対策にテープの使用も
斎藤 一郎 鶴見大学歯学部教授(横浜市鶴見区)
夜間就寝時に口が乾く原因として、口呼吸が考えられます。
加齢とともに口の周囲の筋力が低下したり、鼻が詰まったりすると口の中に分泌された唾液が蒸発して口呼吸になります。寝る姿勢による影響もあります。上を向いて寝ていると口が開いてしまうので、さらに乾燥が進むようになります。
就寝前に服用する薬があると、その薬の副作用でも唾液分泌は低下します。口を乾燥させる薬剤には睡眠薬、抗不安薬、アレルギー薬、風邪薬など様々なものがあり、唾液分泌を低下させます。薬の使い方が適切かどうか、医師に相談してみてもよいでしょう。
昼間に口の乾きを感じないなら、唾液分泌には異常はないと思われます。就寝時の対策として、口が開かないように唇に紙のテープを貼ったり、横を向いて寝たり、枕を高くしたりしてみてください。
口呼吸になる原因の、口の周囲の筋力低下を防ぐには、背筋を伸ばした姿勢で歌ったり、会話を活発にしてかみ応えのある食事をしたりするのが効果的です。
これらで改善しない場合は、歯科を受診してください。上顎を覆うマウスピースがあり、夜間の乾きに有効です。上顎から分泌される唾液をマウスピースの裏側で保水することで口の中の湿度を高め、乾燥感を軽減させます。この装置は自費診療になります。歯科で相談してください。