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アルコール依存症、コロナ禍で増加?…6項目でチェック 軽症の人は「減酒」から「断酒」へ

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 お酒を飲み過ぎているのにやめられないアルコール依存症。心身の不調や仕事のトラブルにもつながり、コロナ禍で患者が増えたとの報告もあります。治療の基本は飲酒をやめる「断酒」ですが、目標を立てて飲む量を減らす「減酒」も近年、広がっています。(米山粛彦)

107万人

 アルコール依存症は、飲酒の強い欲求がある、飲み始めると止まらない、他のことより飲酒を優先する、健康などに悪影響が出ているのに飲む、など計6項目のうち3項目以上が、ある期間、認められた場合などに診断されます。心身の健康だけではなく、仕事の能率の低下や家庭内暴力などにつながることが懸念されます。

 飲酒量などから純アルコール量を調べ、アルコール依存症や生活習慣病のリスクをチェックできます。ビール500ミリ・リットルの純アルコール量は20グラム。生活習慣病のリスクの目安は男性が40グラム、女性が20グラムです。

 アルコール依存症の治療の柱は断酒です。離脱症状を和らげる薬や飲酒の欲求を抑える薬を使います。飲酒の問題に気づくためのカウンセリングを受けたり、断酒について患者仲間と話し合ったりします。

 国内患者数は約107万人に上るものの、医療機関で治療を受けているのは約5万人にとどまると推計されています。断酒への抵抗感が一因とみられており、主に軽症の人向けに、飲酒量を減らす「減酒」という治療法が始まっています。

薄らぐ抵抗感

アルコール依存症…飲む量減らし 断酒の道へ

 減酒外来を約4年前に開設した国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県)では、休肝日を設けたり、1日の飲酒量を減らしたりするなどの目標を定め、実際の飲酒量を患者に毎日記録してもらいます。飲酒時の心地よさを抑える薬も希望に応じて処方されます。治療を受けた男性16人の1週間の純アルコール量は平均430グラムから、半年後に同290グラムに減りました。

 同センター医師の湯本洋介さんは「減酒は、断酒への抵抗感をなくし、治療を受け入れやすくするようです」と説明します。

 さくらの木クリニック秋葉原(東京都)でも減酒治療が行われています。院長の倉持穣さんによると、高学歴で仕事もでき、依存症に見えないような人も受診しているといいます。

 東京都内の会社役員の男性(44)は、取引先との会合で飲む時にはビールやワインを次々に注文し、アルコール摂取量は200グラム近くに及びました。治療を始めてからはハイボールを少しずつ飲み、目標の60グラム以下に収めており、「アルコール量を考えて飲み、翌朝はすっきりと迎えられます」と言います。

 新型コロナウイルスの影響も表れています。同クリニックでは1~4月の初診患者の3割が「在宅勤務で上司や同僚に相談しにくい」「先行きが分からない」と訴えるなど、発症や病気の進行にコロナ禍が関係していました。倉持さんは「軽症のうちに治療を始める方が効果は出やすい。減酒から断酒治療に移る人もいます」と話しています。

 減酒を含むアルコール依存症治療を行う医療機関はQLifeのサイト( https://www.qlifeweb.jp/genshu/ )で見られます。

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