文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

知りたい!

医療・健康・介護のニュース・解説

病院の患者用WiFi環境に大きな格差、病室無料はがん研有明病院などわずか20%……#病室WiFi協議会563病院調査結果を公開

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

悪性リンパ腫、4か月の入院で孤独を実感

 笠井さんは2019年11月に、悪性リンパ腫と診断され、抗がん剤治療のために4か月の入院を経験。20年2月には、新型コロナの影響で家族以外のお見舞いがなくなった。「社会から完全に隔離されるのが、どれだけ孤独なことか」。SNSでの交流やウェブ会議システムを使ったお見舞い、好きな映画や音楽を楽しむことで孤独感から救われたそうだ。入院していた病院には、無料Wi-Fiはなく、月1万円追加の使用料を払って使ったという。

病室WiFi設置が国の補助事業に、9月末まで

 SNSで「がん友」が出来て、情報を交換するうちに、Wi-Fiの使用を制限したり、禁止したりする病院もあることを知った。「入院中は孤独に耐えろということですよ」。さらに「医療費だけでも負担なのに、Wi-Fiを契約して出費が増えるのは避けたかった」という患者の声も耳に入ってきた。そこで、病院での無料Wi-Fiを普及しようと、今年1月、同じ思いを持つ仲間と同協議会を結成して、国に補助事業の実施を求めてきた。活動のかいがあって、4月には新型コロナ対策の一環として、病院への患者用Wi-Fiの設置が事業として認められた。申請は9月末が締め切りなので、同協議会では事業の継続を国に働きかけている。

患者の心に配慮するのも医療そのもの

 病院選びは、その分野の経験が豊富な医師がいるかどうかが何よりも重要な点だが、無料Wi-Fiの導入も参考材料のひとつにはなりそうだ。病院として、患者の心に寄り添う姿勢を持っているのか、通信の安全性を評価する冷静な判断力があるかどうか。患者側にも「病院に無料Wi-Fiまで求めるのは」という声もあるようだが、病院が患者の病気やケガの回復に最大限の力を尽くす施設とするなら、何も手術や投薬だけが医療ではない。患者の心を楽にする配慮も医療そのものではないだろうか。(渡辺勝敏)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

知りたい!の一覧を見る

最新記事