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新・のぶさんのペイシェント・カフェ 鈴木信行

医療・健康・介護のコラム

胸が痛む、年齢を感じる、気力がわかない、呼吸が苦しい、運動しづらい 心臓弁膜症に注意を

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「むねきこう」の自覚症状

胸が痛む、年齢を感じる、気力がわかない、呼吸が苦しい、運動しづらい 心臓弁膜症に注意を

(心臓弁膜症ネットワークのウェブサイトより)

 「この病気は気がつかないうちに発症して、悪化している方も少なくないんです」

 心臓弁膜症に伴う自覚症状を、彼は「むねきこう」と説明する。

む:胸が痛む
ね:年齢を感じる
き:気力がわかない
こ:呼吸が苦しい
う:運動しづらい

 50歳を過ぎ、下肢の障害もある私は、「むねきこう」に当てはまってしまった。

 最近、カフェでの仕事が体力的につらくなってきた。加齢のせいなのか、もしかしたら心臓弁膜症によるものなのか、私にはわからない。一般の人にとって、こういった症状の陰に心臓病が隠れているかもという発想は、すぐには浮かびにくいかもしれない。

 「心臓病の発見には、何より、医師に聴診器を当ててもらうことが大切なんですよ」

 聴診で心臓弁膜症の疑いがあれば、心電図や心臓超音波検査などの精密検査によって、確定診断へとつながることになるそうだ。

 今度の健康診断の際に、医師へ聞いてみようと思う。

定期的な検査を受けて経過観察

 もし、心臓弁膜症だと診断された場合、病気の場所が「心臓」であることに、怖さを感じてしまった。

 「いきなり手術とかではなく、まずはしっかりと経過観察をすることから始まりますね」

 自覚症状がさほど強くない段階では、いきなり手術などに入ることはまれだという。治療は、定期的に検査を続けて、病状の進み具合をみながら検討していくということのようだ。食生活や運動への配慮も大切だという。

 病状がある程度進んだら、薬を使って、進行を遅らせたり症状を和らげたりする。それでも改善が見込めないと、弁の手術が必要になる。手術の方法にもいくつかの種類がある。

 福原さんは、今日は何度目かの手術・入院からの帰りだと言っていた。見た目では、具合が悪そうな感じは全くしない。

 「これまで、他の病気も含めて入院・手術の経験は何回かありますけど、普段通りの生活を送るうえでは、それほど気を使うことはありません」

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鈴木信行(すずき・のぶゆき)

患医ねっと代表。1969年、神奈川県生まれ。生まれつき二分脊椎の障害があり、20歳で精巣がんを発症、24歳で再発(寛解)。46歳の時には甲状腺がんを発症した。第一製薬(現・第一三共)の研究所に13年間勤務した後、退職。2011年に患医ねっとを設立し、より良い医療の実現を目指して患者と医療者をつなぐ活動に取り組んでいる。著書に「医者・病院・薬局 失敗しない選び方・考え方」(さくら舎)など。


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