今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」
医療・健康・介護のコラム
点鼻薬でコロナの症状が早期改善!? 各国で研究進む一酸化窒素の有用性
いまだ特効薬、治療薬が見つかっていない新型コロナウイルス感染症。制圧の切り札として、国を挙げてワクチン接種が取り組まれていますが、接種後、数か月するとワクチンの効果が弱まったり、変異株に対しては少し効果が弱かったりという懸念もあります。
また、一度かかったからといっても、2度目、3度目の感染もあり、これからも気を引き締めていかねばならない状況であることは変わりません。そもそも病気として注意をしなければならないのは、コロナウイルスだけではないことも記憶にとどめなくてはいけません。
そうなると、やはり私たちの免疫力を上げる手段を普段から講じる必要があります。手軽に行える鼻の防御力向上としての鼻うがいの有用性については、これまでも紹介しましたが、今回はなんと点鼻薬でコロナウイルスを減らすという研究を紹介します。
体内で生み出され、細菌やウイルスを殺すNO
主役となるのは一酸化窒素(NO)。発見された当初は毒性を持つ危険な物質とされ、多量に吸い込むと体内で硝酸や亜硝酸といった強い酸性物質を生み出し、呼吸器を傷める作用もあるくらいです。一方で、実は体内でも様々な細胞からNOが生み出され、血管や気管支を広げたり、細菌やウイルスを殺したりと、いろいろと有用な一面も発見されました。
NOの点鼻でコロナウイルス減少
もちろん、コロナウイルスに対する効果も期待されます。いま各国でNOをコロナ治療に使えないかと研究がなされています。その中でも、実際に新型コロナウイルス感染症を発症した人たちにNO入りの点鼻薬を使用すると、不使用の人たちと比べて、ウイルス量の減少も症状の改善も早いということが分かりました。
一部実験室内での研究では、2分以内に99.9%のウイルスを不活化しました。患者さんは1日に数回、NO入りの点鼻薬を自分で鼻腔内に投与するだけですから手間がかかりません。この点鼻薬は、市販化に向けてさらなる研究が続けられています
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