文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

社会

社会

本庶氏、オプジーボ巡り「応分の対価を」…口頭弁論で製薬会社側は支払い拒む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 がん治療薬「オプジーボ」を巡り、ノーベル生理学・医学賞受賞者の 本庶佑ほんじょたすく ・京都大特別教授が、販売などを担う小野薬品工業(大阪市)に対して特許料収入の一部約262億円の支払いを求めている訴訟の口頭弁論が2日、大阪地裁であった。本庶氏と小野薬品の相良 ぎょう 社長がそれぞれ出廷し、証人尋問で互いの主張をぶつけ合った。ノーベル賞学者と製薬会社トップが直接対決する異例の展開となった。

本庶氏、オプジーボ巡り「応分の対価を」…口頭弁論で製薬会社側は支払い拒む

本庶佑氏

 訴状などによると、本庶氏が求めているのは、小野薬品が、オプジーボの類似薬を販売する米製薬大手メルクなどから受け取った特許使用料のうちの一部。提訴時は約226億円だったが、その後増額された。

 小野薬品などは2014年以降、メルクに対して特許侵害訴訟を起こし、17年にメルクが類似薬の売り上げの一部を小野薬品側に支払うことで和解した。小野薬品は、この訴訟に協力してもらう報酬などとして、メルクから受け取った金額の40%を本庶氏に支払うことを口頭で提案した。

 しかし、小野薬品は「提案をしたのは事実だが、本庶氏が『はした金』と拒否した」などとして、契約が成立していないと主張。特許侵害訴訟前の06年に本庶氏と結んだ契約に基づいて、1%を支払った。本庶氏側は40%の支払いについて、「後になってほごにされるとは夢にも思わず、訴訟に協力した」とし、40%との差額分である約262億円の支払いを求めている。

 本庶氏は法廷で「(小野薬品は)コストをかけずに利益を得ている。応分の対価は当然。1%は国際的なスタンダードではない」と主張。これに対し、小野薬品の相良社長は「(本庶氏の主張は)後出しじゃんけんのようなもので、経営の予見性を著しく損なう」と支払いを拒んだ。

 本庶氏側の弁護士によると、この日の口頭弁論終了後の協議で、10日に非公開で和解に向けた話し合いをすることが決まったという。

 ◆ オプジーボ =患者の免疫細胞の攻撃力を高めることで、がんを治す新しいタイプの薬。小野薬品は2014年から販売し、肺がんなどで使われている。本庶氏はオプジーボの開発につながるたんぱく質を1992年に発見し、2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。関連特許は本庶氏と小野薬品が共同で保有している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

社会の一覧を見る

最新記事