常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
医療・健康・介護のコラム
子宮頸がんワクチン、40代でも接種すべき? 感染ウイルスの種類を調べてから検討も
40歳代前半のFさんは、子宮 頸 がんワクチン接種について相談したいと来院された。同年代の友人が接種したと聞いたので、自分も接種した方がよいのか迷っているという。
がんや性感染症もたらすウイルス
子宮頸がんワクチンはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を防ぐものだ。HPVというウイルスは特殊なものでなく、性交渉を経験する大方の女性が感染するウイルスである。HPVには多くのウイルス型があり、一部のウイルス型が、がんや厄介な性感染症と関連していることがわかっている。感染しても多くは一過性で自然に治癒するが、ごく一部で感染が持続し、 尖圭 コンジローマという陰部のいぼを発症させたり、数年から数十年かけて前がん状態となっていく。
ワクチン「45歳まで有効」の報告も
日本で接種を受けられるワクチンは複数あり、発がん性の強いウイルス型に加え、尖圭コンジローマの発症に関わるウイルス型の感染を予防するものもある。HPVは1回の性行為で簡単に感染するため、ワクチンの接種は性行為を経験する前が望ましい。すでに持続感染しているウイルス型に対してはワクチン接種の効果は乏しいと考えられるが、45歳までの接種は有効であるという海外の報告もある。
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