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慢性脳梗塞の患者の機能回復に期待、血管を再生する細胞投与…治験開始

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 脳 梗塞こうそく の慢性期となった患者の運動機能を改善するため、患者の脳内に血管再生の能力を持つ細胞を投与する治験を、神戸市立医療センター中央市民病院が始めた。マウスの実験で一定の効果が確認されており、人での安全性や効果を2年かけて調べる。

慢性脳梗塞の患者の機能回復に期待、血管を再生する細胞投与…治験開始

 脳梗塞は、脳の血管が血の塊(血栓)で詰まることで血流が滞り、神経細胞が損傷する病気。国内では年間約6万人が死亡し、体のまひなど重い後遺症が残ることも多い。発症直後には血栓を薬で溶かす治療が行われるが、慢性期に入ると運動機能の回復は難しくなる。

 治験は、脳の広い範囲に血液を供給する中大脳動脈が詰まって体の左右どちらかにまひが残り、車いすやつえが必要となった発症後5~6か月の患者16人が対象。患者の体内の白血球を薬で増やして採取し、傷ついた血管を再生して生き残った神経細胞を活性化する働きがある「CD34陽性細胞」という細胞を分離装置で抽出。首の動脈から脳内にこの細胞を投与した8人と、投与しない8人とで6か月後の容体を比べる。今年7月に1例目を実施した。

 公益財団法人「神戸医療産業都市推進機構」が、脳梗塞のマウスを使って実験したところ、この細胞を投与したマウスは筋力や敏しょう性が回復した。同病院脳神経外科の坂井信幸部長は「治験で効果が確認されれば、患者数や参加要件を拡大して最終的な治験を行い、国に承認を申請する」と話す。

 平野照之・杏林大教授(脳卒中医学)の話「運動機能がどの程度回復するか、どんな患者に適応すべきか見極める必要があるが、使われる細胞の安全性は高いので、狙った通りの効果が出れば有望な治療法になるだろう」

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