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[女優 岩崎ひろみさん](下)「ふたりっ子」再放送を見て、びっくりするほど下手な芝居に「あれーー」 本当にダメ出ししたい

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 1996年から97年に放送されたNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」のヒロインの双子の妹役で、プロ棋士を目指す型破りなキャラクターを演じた岩崎ひろみさん。生後半年でテレビドラマでデビューし、ミュージカル「アニー」の主役も務めるなど芸能生活は長く、「ふたりっ子」出演時も、役者としてある程度の自信を持って臨んだそうですが、最近、再放送を見たら……。(聞き手・藤田勝、撮影・中山博敬)

泣かないだけで赤ちゃん時代からドラマやコマーシャルに

女優 岩崎ひろみさん](下)「ふたりっ子」再放送を見て、びっくりするほど下手な芝居に「あれーー」 本当にダメ出ししたい

  ――生後半年で役者デビューしたそうですね。

 母方のおばあちゃんが習い事みたいなものが大好きで、引っ込み思案の兄が人前に出られるように何か習わせようということになったんです。劇団に入るとダンスや日本舞踊、演技など4教科ぐらい教えてもらえて、月謝もそれほど高くないらしく、「これはいい」と母が兄を劇団に入れたんです。その関係で劇団から「そういえば、岩崎さんちの妹って泣かないよね。テレビドラマに借りたいんだけど」と頼まれ、泣かないってだけで出ることになったんです。だから、泣かせる芝居の時はつねっていたと母が言っていました(笑)。

  ――その流れで自然に劇団に?

 泣かないっていううわさが広まって、いくつかドラマだとか、コマーシャルだとかに呼んでもらっていたのが赤ちゃんの頃です。それから3歳になるころ、兄は小学生になるときに劇団をやめることになったので、「じゃあ、今度は私が」と自分でお願いして入れてもらいました。

  ――3歳にして、芝居に強い意欲があった?

 劇団に入る前の2歳のとき、母に仕事に連れて行かれた記憶がいくつかあります。「終わったら、これ食べようね」と母に言われて、「わかった。頑張る!」みたいな気持ちになった記憶がすごくあるので、何か達成感というか、やってやるか、みたいなのはたぶんあったのだと思います。

「アニー」で高く伸び切った鼻をへし折られた

  ――それから子役として多くの仕事をされたそうですが、特に印象に残る仕事というと、やはりミュージカル「アニー」の主役ですか。

 アニーの場合は、やっぱり自分でやったっていうことで、すごく印象に残っていますよね。それまでは森繁久弥さんとか、大川橋蔵さん、高倉健さんなどと共演したっていうことで、みんなからすごいって言われていましたが、初めて自分がやったことを認めてもらったのがアニーで、一つ成長できたのかなって思います。

 それまでも芝居が好きで、やればやるほど仕事がくることで自分が認められた気になっていましたが、まだ子どもだったので、オーディションでは「君、泣けるでしょ」「泣けますよ」「じゃあ、お願い」という感じで、泣けることしか求められていませんでした。

 でもアニーでは、泣けばいいみたいなのをすごく否定されて、「本番では絶対言わなきゃいけないけれども、今はせっかくの稽古なんだから、自分の気持ちが動かなかったら、みんな待っているからセリフを言わなくていい」っていう演出指導をしてくださったんです。

 12歳になるぐらいの小娘に、それだけ丁寧に芝居を教えてくれたのが篠崎光正先生っていう演出家の先生でした。それまでは、舞台でおばさまがたを泣かす芝居をするのがすごく上手な子で、いいタイミングで父親の名前を叫べば泣かせられる、というのも分かってやっていたようなところがありましたが、アニーでは、すごく高く伸びきった鼻をたたき折られたような気がしました。

 それでも毎日稽古場に通うのは楽しかったです。アニーは8月公演で31日までやって、終わったら次の日から普通に学校の2学期でしたが、もう本当に燃え尽き症候群じゃないけれども、中1の夏休み明けは呆然としたまま学校に通っていました。私の人生ここで終わったんじゃないかぐらいに燃え尽きたっていう記憶があります。

心が動くから言葉が出る

  ――子供ながら役者として大きく成長したんですね。

 舞台の演出をしてもらったのに、篠崎先生のおかげで映像の仕事もできるようになりました。それまでテレビに苦手意識がありましたが、心が動くから言葉が出るのであって、何も持ってないのに言葉だけ出しても伝わらないっていう単純なことがわかったんです。それまでは、いかに悲しいって思わせようかとか、テクニック的なところに目が行きがちだったのを、シンプルに考えるようにしてもらえたのがアニーでした。

  ――それが映像の仕事にもつながったというのは?

 舞台と映像の違いに、子供ながらどこか悩んでいたのだと思います。舞台って、うそばっかりですよね。お客さんが目の前にいるので絶対、声は届くように出すっていう前提があるし、ライトの邪魔をしない位置とか、ありえない動きをしながら自然に見せたりします。でも映像だと、つぶやこうが声がかすれようが、それも一つの表現になり、逆に、そのかすれ声が悲しさにつながったりします。

 そのへんわからなくて、がんじがらめになっていたときに、気持ちがあって声を出したら、そこに気持ちが乗るんだよっていうシンプルなことを教えてもらえたんです。

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