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[女優 岩崎ひろみさん](上)ふたりっ子が娘3人の母に 一番かわいい時期の子育て独り占め、主人に申し訳ないくらい
1996年から97年に放送されたNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」のヒロインの双子の妹役で、プロ棋士を目指す型破りなキャラクターを演じた岩崎ひろみさん。2007年に「劇団☆新感線」所属の俳優吉田メタルさんと結婚し、現在は13歳、10歳、3歳の女の子3人の子育て中です。幼いころから芝居に打ち込んできた岩崎さんですが、今は母親こそ自分に最も適した仕事だと思っているそうです。そんな人生の価値観の変化について、語ってくれました。(聞き手・藤田勝、撮影・中山博敬)
――今日は自転車で来られたそうですが、ママチャリですか。
はい。電動なので、自宅から4キロぐらいなら、電車を乗り換えてくるより自転車の方が早いかなと。
――3人の子育てで体力がついた?
もともと体力がある人間で、それは子育てをするうえでプラスだと思っていました。でも、長女がもう13歳になるので、以前と比べると、いくらか体力も落ちてきているかなとは思います。
子育てがつらいと思ったことは一度もなし
――やはり、子ども3人というのは大変ですか。
ママ友や中学の同級生から「ワンオペはつらい」っていう話を聞くことがありますが、私は子育てが本当に好きで、つらいと思ったことが一度もありません。主人は、仕事で子どもの成長を毎日はみられないし、ちょっと具合が悪くなった子どもを抱えて病院に走る私、という体験もできないんだと思うと、申し訳ないくらい。こんなにかわいい、一番楽しい時期を独り占めさせてもらっていると思って、もう13年です。
――とはいえ、ときには大変だと思うこともあるのでは?
京都で仕事をして、その日のうちに帰れなかったので、子どものお弁当を作って学校に送り出すためだけに朝一番の新幹線で帰ってきたこともありましたが、そんなことをしていても、別に大変だとは思いませんでしたね。
本当にずっと子育てしていたいと思った
――女優の仕事があまりできないことは苦にならないですか。
本当に真面目に、このままずっと子育てしていたいって思っていたこともあるくらいです。結婚前まで周りからは「あなたは仕事が恋人だ」とずっと言われていたし、小さいころから「子どもを育てるイメージがない」と言われていました。でも気づいたら、母親こそ、自分に最も適した仕事と思うようになっていました。
――コロナ禍でお子さんたちとどのように過ごしていますか。
最初はほんの数か月の気持ちで自粛というものに向かっていましたが、終わりが見えず、今までやってきたことができなくなりました。毎年のお祭りに行けないとか、うちは自宅から隅田川の花火が見えるのに、去年も今年も中止で夏の楽しみがなくなり、娘たちが「これが当たり前になるのが怖い」と話しているのを見ると、せつなくなります。
だから、なるべく家で楽しめることをやろうと考えて、一緒にご飯を作ったり、お菓子を作ったり、家で水遊びができる道具を買ったりしています。
――女の子3人っていうのはどうですか。
楽しいですね。季節の変わり目になると、3人おそろいの洋服を買いそろえようとか、あわよくば私もそこに入ろうとか(笑)。ただ長女が13歳になって子供らしい服があまり似合わなくなってきたので、3人おそろいっていうのが難しくなってきました。下の子は柄がついていたり、キャラクターだったりを着たがるし、お姉ちゃんは大人っぽいものを着たがるし。でも洋服や小物で遊べるので、女の子3人はすごく楽しいです。
父親が仮面ライダー 長女の自慢
――ご主人の仕事は子どもたちに見せていますか。
出演するテレビも見せていますし、舞台は必ず見に行くので、やっぱり父はすごい人だと思っているようです。長女が5歳ぐらいのとき、主人が仮面ライダーをやっていたのですが、お父さんが仮面ライダーだったというのは、いまだに同級生に自慢できるみたいです。
――お子さんたちは両親のように俳優になりたいとは言いませんか。
ないです(笑)。すごく小さな頃から口を酸っぱくして、「それはやめろ」と言っているので。私も主人も好きでここまでやってきた人間ですけど、好きなだけじゃだめだし、実力があっても表に出られない方がたくさんいる世界を見てきました。私も主人も、結果をみんなにはっきり認めてもらえるような(笑)、職に就いてもらうことを切に願っています。
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