教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。
医療・健康・介護のニュース・解説
マスク越し 聞き取りにくい!…低めの声でゆっくり話す、平易で簡潔な言葉遣い
Q お年寄りに道を尋ねられたけど、説明してもよく聞こえないようだった。お互いマスクでしょ。
ヨミドック 新型コロナウイルスの感染予防策が日常化し、「聞こえにくさ」を感じている人は多いですね。
Q うちのおばあちゃんは、コンビニでのマスクの店員さんとのやりとりが苦手だって困ってた。
ヨ 耳が不自由な人は、相手が話している言葉を、口の形から推量していることが多いので、口がマスクで見えないのはとても不利になるんです。音声も、ある程度遮られてしまいますしね。
Q レジ前にアクリル板やビニールシートがある所では、私もよく聞き返すよ。
ヨ マスク越しだと、高周波数の音、いわゆる高い音が特に小さくなるという実験結果があります。フェースシールド越しだと、マスク以上に高い音が影響を受けます。高齢者の難聴は、高い音から聞こえにくくなることが多いので、なおさら困るでしょう。
Q どうしたら伝わりやすくなるのかな?
ヨ 看護師の間では、「低めの声でゆっくり、はっきり話す」ことが勧められているそうです。聞き取りにくい音を避けて、「7時」を「しちじ」でなく「ななじ」、午後1時を「13時」などに。聞き取りやすい「平易で簡潔な言葉遣い」が大切ですね。
うなずいたり、指で数字を示したり、ジェスチャーや手のサインを交えると、わかりやすく、誤解を防げます。それから目の表情。笑みや驚きは、目だけでもかなり伝わるそうですよ。
Q 私にもできそうだ。
ヨ 補聴器の使用や人工内耳の手術に踏み切る人もいます。高い音を聞き取りやすいように、補聴器を調整してもらいましょう。
Q 自治体や交通機関の窓口では、マイクとスピーカーを設けたり、音声を文字表示するタブレットやスマホアプリを導入したりしている所があるね。
ヨ 「レジ袋はいりますか」など、定型の文を繰り返し使うお店では、はり紙や指さしボードを用意して、文字や絵で示すのも一つの方法です。
感染対策を機に、聞こえにくい人が、より生活しやすい社会になるといいですね。
(小屋敷晶子/取材協力=神崎晶・慶応大医学部耳鼻咽喉科講師、加悦美恵・久留米大医学部看護学科准教授)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
【関連記事】