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認知症×発達障害 岡崎家のトリプルケア

医療・健康・介護のコラム

あ然! MRI「禁止」の発熱素材、堂々着用の理由とは…母さんの介護を終えて(上)

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ヒートテックは脱がない! 古くて発熱しないから、MRIも問題ナシ!?…母さんの介護を終えて(上)

漫画・日野あかね

最初のきっかけは脊椎すべり症

 長く続くと覚悟していたのに、たった2年で終わってしまった母さんの介護。あっという間に過ぎ去った日々の中にも、いろいろなことがありました。

 2019年の春、母さんは脊椎すべり症になりました。どんな動作をするにも、これまでの倍以上時間がかかるようになり、母さんが中心となって担ってきた父さんの在宅介護が限界を迎えているのは一目瞭然。私は、父さんには施設に入ってもらうよう提案しました。

 母さんは渋っていたものの、どんどん衰弱していく母さんを隣で見ていた父さんが施設に入ることを承諾し、翌年の春、特別養護老人ホームに入所。こうして我が家は22年にも及んだ父さんの在宅介護を卒業したのです。

弟の死が追い打ちに

 この頃には、母さんはつえやシルバーカーがないと外出できなくなっていたのですが、今思うと父さんの介護という生活のハリがなくなったことも影響していたのかもしれません。孫のたーくんの友達に「80歳?(当時71歳)」と言われるほど、一気に老け込んでしまいました。

 その年の6月、さらに追い打ちをかけるような出来事が起きました。母さんの実の弟が闘病の末、亡くなったのです。最愛の肉親を失った現実を受け入れられず、さらに痩せ細り、自力で立つことさえ困難となって車椅子生活に。坂道を転がり落ちるような体調の悪化に、通っていたクリニックから総合病院で検査を受けるようにすすめられました。

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認知症×発達障害 岡崎家のトリプルケア

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の日々を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 北海道在住。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、治療を受けて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載。看護師の資格を持ち、執筆の傍ら、グループホームで介護スタッフとして勤務している。

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