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医療・健康・介護のニュース・解説
里親になるにはどうすればいい?
Q 親と一緒に暮らせない子どもの手助けをしたいと思い、里親に興味を持ちました。
A 国内には、虐待や親の病気といった事情で、家族と暮らせない子どもが約4万5000人います。こうした子どもを自分の家庭で育てる人を里親と言います。現在、約4600世帯の里親家庭に約5800人の子どもたちが暮らしています。
里親には、▽元の家庭に戻れるまで育てる「養育里親」▽障害やトラウマなどがあるため、専門的なケアが必要な子を育てる「専門里親」▽親族が育てる「親族里親」▽戸籍上も親子になることを目指す「養子縁組里親」――の4種類があります。
Q 里親になるには、どのような手続きが必要ですか?
A まず、最寄りの児童相談所(児相)に相談し、申請をします。担当者が家庭訪問をして、申請者の育った家庭環境や現在の暮らしぶり、経済状況や家の周辺環境などを調査し、その結果をもとに都道府県が審査します。審査の結果、認定されて登録されると、児相から子どもが紹介されます。研修を受け、数か月間交流し、問題がなければ、養育が始まります。
Q 独身でもなれますか?
A 基本的に25歳以上であれば、結婚していない人でもシニア世代でも里親になれます。保育園に預けることもできるので、共働きでも大丈夫。大切なのは、子どもへの深い愛情と理解です。
Q 養育費も心配です。
A 里親には養育手当が支払われます。養育里親の場合は、1人につき月9万円、専門里親は月14万1000円です。このほか、1人5万円程度の生活費に加え、医療費や教育費などは実費で支給されます。
Q 実際に生活を始めてみると、いろいろと悩みそうです。
A たしかに、受け入れた子どもとぶつかったり、新たな家族の関係性に悩んだりする場合もあります。そのような時には、児相や専門家による定期的な家庭訪問でアドバイスを受けられるほか、電話でも相談できます。地域の里親同士の交流会で情報交換もできますよ。心理的に休息が必要な場合や、冠婚葬祭で預け先に困った際は、児童養護施設や他の里親などを活用できる仕組みもあります。
家庭的な環境で育てられることで、子どもは安心感や自己肯定感を得られると言われています。国は施設ではなく、里親家庭で育つ子どもを増やしたい考えです。
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