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一病息災

闘病記

[歌人 穂村弘さん]緑内障(3)ネット上には深刻な話ばかり…公表して知った病気の「身近さ」

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[歌人 穂村弘さん]緑内障(3)公表して知った身近さ

 2004年に緑内障と診断されて、本やインターネットで情報を集めた。ネット上には患者たちの掲示板があったが、深刻な話ばかり目につく。「病状が安定している人はそもそも書き込まないから、バイアスがかかっているんです。読むと落ち込んでしまう内容が多かった」

 病気を周囲に公表するかは「一瞬迷ったけど、少しでも情報がもらえるように、オープンにしようと思いました」。主治医を教えてくれたのは仕事関係の人。製薬会社のイベントに呼ばれて、薬の最新情報に触れられたこともあった。

 厚生労働省の患者調査によると、緑内障患者は約108万人(2017年)。40歳以上の20人に1人がかかっているとの研究もあり、潜在的な患者を含めると500万人と推計される。発見が遅れると失明する可能性が高まり、視覚障害の原因の1位になっている。

 病気のことを短歌には詠まないが、エッセーなどには何度も書いた。すると、やはり緑内障の歌人から話しかけられたり、連絡をもらったりすることが増え、「歌人にはゴロゴロいる」ことがわかってきた。最近は年下の知人から、実は診断を受けました、としばしば相談される。

 緑内障は長く付き合わざるを得ない病気だ。「医師は初めからロングスパンでとらえている。検査も3か月から半年おきとか。でも、患者は、こうしている間にも目が悪くなっているのでは、と不安になるんですよね」。診断を受ける側の気持ちをそう説明する。

歌人  ()(むら)(ひろし) さん(59)

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