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保健所「苦渋の選択」、濃厚接触者などの調査縮小へ…「追いつかないのが現状」

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 新型コロナウイルスの感染経路を探り、誰が濃厚接触者かを突き止める――。予想を超える感染の広がりにより、各地の保健所では、この重要な業務の縮小を余儀なくされている。

保健所「苦渋の選択」、濃厚接触者などの調査縮小へ…「追いつかないのが現状」

感染者の急増で電話対応に追われる春日部保健所の職員ら(19日、埼玉県春日部市で)

 埼玉県内で初めて1日当たりの新規感染者が2000人を超えた19日。県春日部保健所(春日部市)の一室では、約50人の職員がひっきりなしにかかってくる電話などの対応に追われていた。

 「職員は休みも満足に取れない。何とか一丸となって士気を保っているが、ギリギリの状態です」と、田中良明所長が説明する。

 管内の1日当たりの新規感染者は、今春の「第4波」は10人程度だったが、「第5波」の現在は80人ほどに増えた。8月に入ってからは、受け入れ先の病院が見つからず、やむなく自宅療養となる感染者が後を絶たない。保健所が健康観察を担う自宅やホテル療養者らも、これまでより大幅に増えて約600人に上る。

 こうした状況は他の保健所も同じで、県は6日、濃厚接触者や感染経路を調べる「積極的疫学調査」の縮小に踏み切った。これまでは職場の関係者や知人らも調べていたが、現在は家族や、高齢者施設などの関係者らリスクの高いところに絞っている。

 田中所長は「疫学調査は感染拡大を食い止める意義があるのでしっかりやりたいが、追いつかないのが現状。苦渋の選択です」と話した。

 調査縮小の動きは他の自治体でも相次いでいる。

 東京都では、冬の第3波に続いて、10日付で各保健所に通知を出し、クラスターが発生しやすい施設などでの調査を優先させる方針に切り替えた。神戸市や那覇市でも、勤務先などの調査は行わず、対象範囲を感染者本人や家族らにとどめている。

 大阪市保健所も、6日から濃厚接触者の追跡調査の範囲を縮小。通常時は2週間前に遡って対象者を聞き取っているところを「発症2日前」などに絞って実施している。市は「人材は無尽蔵にあるわけではない」とし、感染者が増え続ければ、濃厚接触者の調査自体を取りやめ、感染者の健康確認を優先する方針だ。

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