手首のプレート 抜くべきか
手首を骨折して1年半ほど。手首は金属プレートで固定しています。医師には「不自由でなければ、プレートは入れておいても構わない」と言われました。今は不便を感じませんが、一生入れておいていいものですか。(71歳女性)
不自由なければ そのままで
戸部 正博 東北海道病院・手の外科センター長(北海道釧路市)
手首の骨折で使用する金属プレートは、手のひら側から入れ、ネジで固定するタイプが多く使われます。
チタン製のプレートの場合は、素材の劣化などはほとんどなく、MRI(磁気共鳴画像)にも対応しています。ただ、プレートの形状や入れた位置によっては、親指や人さし指を曲げる 腱 に当たって腱がすり切れてしまうことがあります。プレートによって正中神経という手首の中央部を通る神経が圧迫されて手指のしびれが発生することもあります。
こうした金属プレートによる合併症は多くはありませんが、術後1年以内に起こることが多く、私は術後半年から約1年ぐらいの間で、金属プレートを抜く手術をお勧めしています。
しかし、特に若い人の場合は、長期間経過するとプレートに掘られたネジ穴周囲に、新しく出来た骨が入り込んでプレートが抜けなくなることがあり、術後1年以上経過してから抜く際は注意が必要です。
プレートを外した後の問題点では、ネジを数多く使用するタイプのプレートでは、ネジの穴の部分で再骨折する例がまれに報告されています。質問者は特に不自由を感じずに術後1年半を経過していますので、そのまま入れておいても問題はないと思います。