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糖尿病で酸素飽和度95%の86歳が自宅療養に…「沖縄本島は病床ほぼない」

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 新型コロナウイルスの感染急増で、沖縄、福岡両県のコロナ病床がかつてないスピードで 逼迫ひっぱく している。沖縄県では本来なら入院となる中等症患者らが自宅療養を余儀なくされ、福岡県でも自宅療養者が5400人を超えた。自宅は医療の目が届きにくく、自治体は症状悪化を見逃さない態勢づくりを急ぐが容易ではない。(今村知寛、手嶋由梨)

中等症患者でも

 

 「沖縄本島は入院できる病床がほぼなくなってきた」。沖縄県の糸数 とおる 医療技監は訴える。県が確保する約800床のうち、酸素投与が必要な「中等症2」を受け入れる計336床は16日時点で94%が埋まっている。入院先が決まるのを待つ20床の「入院待機ステーション」も連日満床に近い。

 同県の自宅療養者(入院・宿泊療養調整中を含む)は18日時点で4853人。13日には呼吸困難がある中等症患者1人が自宅療養となった。糖尿病を患い、今月上旬に酸素飽和度が中等症並みの95%まで下がった86歳の男性も当初は入院と判断されず、自宅にとどまった。今月上旬には入院調整中だった40歳代の男性が自宅で亡くなっている。

 沖縄県は医療従事者が慢性的に不足し、看護師らが24時間見守る宿泊療養施設が十分ではない。今も確保している7施設のうち1か所は稼働できておらず、自宅療養者の増加を抑える手立てになっていない。

糖尿病で酸素飽和度95%の86歳が自宅療養に…「沖縄本島は病床ほぼない」

 同県は看護師ら約60人で電話による自宅療養者の健康管理を実施。1人が1日60人以上と連絡を取るため、「業務が日付をまたぐこともある」という。症状の変化が気になる患者については、県看護協会を通じて14の訪問看護事業所に依頼し、さらに丁寧な健康観察を電話や訪問で行ってもらう。ただ、コロナ以外の患者対応もあり、重症化リスクが高い約30人にとどまる。

 沖縄市の訪問看護ステーション「やえしま」の女性所長(45)は「訪問しているのは本来入院が必要な人ばかり。呼吸状態など異変を見逃さないよう神経を使う」と明かす。県は当面、既存の「ステーション」の規模拡大と電話による病状確認の徹底で、乗り越えざるを得ない状況だ。

電話相談に81件

 

 福岡県では17日時点で自宅療養者が5407人に上り、「第4波」のピーク時の約4200人を大きく上回る。県は「入院が必要な人は入院できている」とするが、新規感染者数の最多更新が続き、楽観できない。

 実際、今春の「第4波」では、健康管理を行っている保健所の業務が逼迫し、症状が悪化した自宅療養者が直接救急車を呼んで搬送されるケースもみられた。福岡山王病院(福岡市早良区)の横井宏佳病院長は「病院に搬送された時にはかなり悪化している人もいた。自宅療養者は不安感が強く、医療に早期につなげることが重要だ」と指摘する。

 県と県医師会は13日から、自宅療養者向けに夜間・休日の電話相談窓口を設置。15日までの3日間で81件を受け付け、2件は病院に救急搬送した。福岡市医師会も11日から、保健所の紹介で医療機関が電話やオンラインでの診療を始めている。

 久留米大病院高度救命救急センターの山下典雄・副センター長は「限られた病床を有効活用するためにも、自宅療養に『医療の目』を入れ、症状が悪化しそうな人をいかに拾い上げるかが重要だ」としている。

早期診療へ外来開設も

 

 全国では、自宅療養者を早期に診療につなげる取り組みが広がっている。

 京都府では、自宅療養者や宿泊療養者向けの「陽性者外来」を約30の医療機関に開設。体調が悪くなった場合に来てもらい、CT(コンピューター断層撮影法)などの検査で肺炎の有無を確認して重症度を見極める。自宅からの移動は、感染対策を施したタクシーなどを手配するという。

 大阪府の吉村洋文知事も13日、自宅療養者が点滴や解熱剤の処方を受けられる「外来診療病院」を8月中にも整備すると発表した。

 東京都医師会は、都内全域を対象にオンライン上で一度に数十人の自宅療養者が集まることができる仮想の「待合室」をつくり、複数の開業医が効率よく診察できるシステムの構築を進める。

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