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伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」

[ きょうの健康レシピ ]

健康・ダイエット・エクササイズ

トマトの甘酢サラダ…酢の酸味を利用、さっぱりと

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 こんにちは。在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。

 私が訪問で関わる利用者の中には「味覚障害」による食欲不振に悩む方もいらっしゃいます。

 味覚障害、といってもその症状は人によって異なり、何を食べても味がわからない、特定の味を強く感じる、金属の味がする、苦みを感じる…などがあります。実際、「味がしないから食べられない」「何を食べても苦いから食事をする気になれない」などの理由で食事を苦痛に感じる方も多くいらっしゃいます。

 このように、摂食 嚥下(えんげ) 機能は比較的保たれているにもかかわらず、味がわからないために食べられず、低栄養状態になってしまうことも少なくありません。さらに、食べられない期間が長くなることで、それまで維持できていたはずの摂食嚥下機能が低下する可能性もあり、味覚障害が改善されたときには、嚥下障害になっているということも考えられます。

 味覚障害の原因は、疾患によるものや食事の偏り、抗がん剤治療の副作用など様々で、その対処方法もひとつではありません。今回は酢の酸味を利用したさっぱりとしたサラダのご紹介です。塩味やしょうゆ味が苦く感じたり、金属の味がする、といった場合には酸味を利用し、薬味でアクセントをつけると食べやすくなる場合があります。さわやかな酸味が食欲をそそるので、食欲不振の方にも利用できるメニューです。

 食事が苦痛だ、という方にとって必要なものは、栄養バランスはもとより、「安心して食べられるものがある」という食への前向きな気持ちではないでしょうか。

[作り方]

(1) 大根おろしは水分を切る。トマトは湯むきし、2cm角に切る。

(2) (A)の材料を混ぜ合わせ、電子レンジ(500W)で少し加熱する。

(3) (1)の大根おろしと(2)の甘酢を混ぜ合わせ、トマトとあえる。

(4) (3)を器に盛りつけ、オリーブ油を回しかける。青みをトッピングしてできあがり。

※かむ力、のみ込む力には個人差があります。食べる機能を確認しましょう。

※食べる方の機能に応じてトッピングは除きましょう。甘酢のかわりに市販のすし酢や調味酢でもおいしくできます。

(レシピ作成 在宅訪問管理栄養士 伊藤清世)

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伊藤清世(いとう きよ)

在宅訪問管理栄養士・介護食アドバイザー
委託給食会社で病院・高齢者施設・保育所等の調理業務、総合病院の管理栄養士を経て、現在は仙台市の「ないとうクリニック複合サービスセンター」で在宅訪問管理栄養士として活動中。また、地域での講演活動を通じ、かむ、のみ込む力が低下した方にも喜ばれる、食べやすくおいしい食事作りを提案している。

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