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コロナ感染で2校出場辞退、大会本部・学校の判断に疑問の声も…夏の甲子園

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 第103回全国高校野球選手権大会で、選手が新型コロナウイルスに感染した宮崎商(宮崎)と東北学院(宮城)の出場辞退が論議を呼んでいる。大会本部や学校側の判断に疑問や課題を指摘する声もある。(苅谷俊岐)

 

 大会本部は出場校に感染者や濃厚接触者が出た場合の出場の可否について「集団感染か否かを重要視する」としている。13人が陽性、8人が濃厚接触者となった宮崎商について、大会本部は16日夜には「集団感染」と伝えただけで、最終的な判断を学校側に委ねた。17日の記者会見で、宮崎商の門田誠校長は「生徒の健康、安全面を考えると出場は不可能だろうと決定した」と辞退の理由を説明した。

 大会本部の対応について福島大の小川宏教授(スポーツ哲学)は、「最終的な判断を学校側に求めるのは、負担になる。コロナ禍での大会開催は、感染者数など、大会参加が可能な基準を作り参加校と同意しておくことが重要だ」と話す。

 北信越などで全国高校総体を開催中の全国高等学校体育連盟は「感染症拡大防止に関する基本方針」で、感染者が出た場合は「大会出場を辞退し、医療機関等の指示に従う」と定めている。11~17日には8競技15校が出場辞退したと発表された。一方、日本高校野球連盟などの「感染対策ガイドライン」では集団感染と判断された後の対応について明確な規定はない。

 選手1人が陽性、4人が濃厚接触者になった東北学院の場合、大会本部は「個別感染」と認定し試合の準備を進める方針だった。だが学校側は17日、「出場すれば(感染した)個人の特定につながる」と辞退を申し出た。18日の読売新聞の取材に、学校側は「プライバシー保護の観点から個人の特定を避ける指導を貫いた。生徒の将来を脅かす選択はできない」と強調する。

 関大の神谷拓教授(スポーツ教育学)は「この判断に部員の意見がどれだけ反映されているだろうか。今回は大人が決断したが、今後は選手たちが議論し、意思決定する力を身につけるように促すべきだ」という。

 球児たちは全力をかけて甲子園を目指している。それだけに出場の可否については主催者と学校側が十分に議論すべきだ。

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