教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。
医療・健康・介護のニュース・解説
がんなどの「バイオ医薬品」 効果も値段も高く…後続品を選べば安価に
Q 親友が関節リウマチでバイオ医薬品(生物学的製剤)を使っているんだ。いい薬なんだけど価格が高くて……。
ヨミドック バイオ医薬品はたんぱく質で作られた薬で、関節リウマチ以外にもがんや難病など、従来の薬では治療が難しかった病気に高い治療効果があります。開発や製造、管理が複雑でコストがかかるので高価格になってしまいます。バイオシミラーに替えたらどうですか?
Q え、……シミラー?
ヨ バイオとシミラー(類似)を合わせた造語でバイオ医薬品の後続品です。ジェネリック医薬品(後発医薬品)がありますよね。そのバイオ版です。先行バイオ医薬品の特許が切れた後、別の製薬企業が作ります。開発費があまりかからないので価格が抑えられます。
Q どのくらい安いの?
ヨ バイオ医薬品の5~7割程度です。例えば3割負担で1か月の自己負担が3万円のバイオ医薬品を、その5割の価格のバイオシミラーにしたら、1万5000円になります。今年5月現在で、がんや関節リウマチ、潰瘍性大腸炎など15種類が保険適用されています。
Q 先行薬と効果は変わらないんだよね。
ヨ 製薬会社は、国の定めた指針に従って、バイオシミラーの品質や安全性、有効性が先行薬と同等・同質であることを臨床試験などで確認することになっています。
Q それなら安心だね。
ヨ ただ、患者によっては先行バイオ医薬品からの切り替えによる有効性の低下や、今までになかった副作用が時々報告されています。こういうことが、どういう場合に起きるのか、長期的なデータの蓄積が必要です。
Q なるほど。時間がかかりそうだね。でも使用が広がってほしい。
ヨ バイオシミラーの普及が進めば、国民の医療費を減らせます。
Q とはいえ知られていないね、バイオシミラー。
ヨ そこなんです。国は、6月に公表した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の中で、医療費の抑制策のひとつとして、バイオシミラーを普及させるための目標設定の検討などの方針を示しています。
(加納昭彦/取材協力=黒川達夫・日本バイオシミラー協議会理事長、松野博明・松野リウマチ整形外科院長)
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