教えて!ヨミドック
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がんを治療中 コロナワクチンは接種しても大丈夫?
Q 新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいるね。でも、がんを治療中の知人が「接種を受けて大丈夫か」と、心配していたよ。
ヨミドック 基本的に、問題ありません。健常者以上にメリットがあると考えられています。
Q どういうこと?
ヨ がん患者が新型コロナに感染すると、重症化したり亡くなったりするリスクが高いとされています。肺がんや血液がんは特に危険性が高いことが分かってきました。新型コロナに対する免疫をつけるワクチンの接種は、発症や重症化予防が期待できます。
Q なら、いいね。
ヨ 米ファイザー製ワクチンの接種でがん患者が獲得した免疫物質の抗体の量は、健常者より少なかったという海外の研究報告があります。ただ、少なくても新型コロナの予防効果は見込めました。接種はしっかり2回受けること。発熱や腕の痛みなどの副反応は健常者と同じと考えられます。
Q 注意することは?
ヨ そもそも発熱があれば健常者と同じで接種を受けられません。手術や放射線、抗がん剤などの治療の数日~1週間前の接種は控えた方がいいでしょう。治療前に発熱があった場合、その原因が副反応か、新型コロナの感染かがわからなければ、治療を延期せざるを得ないケースが出てきます。
Q 治療後の接種は?
ヨ 抗がん剤によっては、できれば接種を避けた方がいい時期があります。血液がんの治療で造血幹細胞移植を受けた後も、半年以上接種を控える方がいいでしょう。免疫がつきにくいなどの理由からです。
接種の機会を逃さないことが大事です。治療内容や薬によっても接種に適した時期は異なります。主治医とよく相談してください。
Q 治療との兼ね合いで、希望しても接種を受けられない人もいるんだね。
ヨ 新型コロナワクチンは感染予防の効果も期待されています。周囲の家族らがまず接種を受けて、未接種の患者にうつすリスクを下げることも大切です。マスク着用などの感染対策も続けましょう。
(米山粛彦/取材協力=岩田敏・国立がん研究センター中央病院感染症部長、矢崎秀・同病院腫瘍内科医師、荒岡秀樹・虎の門病院臨床感染症科部長)
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