石蔵文信の「男と女の楽しい更年期!」
医療・健康・介護のコラム
「来世も一緒になろう」と言う夫に「会っても声をかけないで」と答える妻…愛は永遠か?
若い頃、愛は永遠であると思って、素晴らしい伴侶と結婚した方も少なくないでしょう。結婚式では、必ず生涯添い遂げることを神や仏に誓わされます。例えば、キリスト教系なら「汝、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、この妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか? 」といった誓いの言葉があります。他の宗教や儀式でも同じようなことを誓うはずです。
「愛は3年でさめる」と思っています
しかし、このような誓いを立てても、残念ながら3組に1組は離婚してしまいます。また熟年になると、離婚にまで至らなくても、ある程度の距離を保った結婚生活、いわゆる「卒婚」に入る方も少なくないでしょう。私は個人的には「愛は3年でさめる」と思っています。あの有名なデュエット曲「3年目の浮気」は、真実をついているような気がします。
それでも子供が生まれると、愛というよりは、お互いの責任感で夫婦関係を維持しているのでしょう。妻も夫も相手に依存することなく晩年に至ると、幸せな終末期を迎えられるような気がしますが、夫の方が上から目線やモラハラのような態度をとり続けると、妻はなるべく夫と距離を取ろうとします。
のんきな夫は、晩年になって「来世も一緒になろうね!」と妻に声をかけますが、妻は「あの世で会っても、絶対に私に声をかけないでね!」とつれない反応です。あまり仲の良くない夫婦は、同じ墓に入るのを嫌がります。そのため、海などへの散骨が流行っているのかもしれません。なるべく遠くに行きたい方には、宇宙葬もあるようです。
「時空を超えた夫婦愛」を見せられ
そんなことを考える昨今ですが、「時空を超えた夫婦愛」を見せられることもありました。知る人ぞ知る看取りの専門家、中村仁一先生ご夫妻です。
中村先生は、1996年から京都市内で「自分の死を考える集い」を開催されていました。そして、2012年に出版された『大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ』(幻冬舎新書)がベストセラーになりました。その本では、高齢になると医者がかかわらない方が安楽に旅立てると主張されています。
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