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佐藤純の「病は天気から」

医療・健康・介護のコラム

フィリピン沖からの“さざ波”が頭痛を起こす!?…台風が来る前の抗めまい薬で予防

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天気と上手につきあうための体づくりを

 今年の梅雨は大量の雨が降り、各地で豪雨被害が発生しました。そして梅雨明けとともに、記録的な猛暑に見舞われています。すでに台風の発生も多く、地球温暖化の影響が本格的になってきたと感じます。このように気象変動が激しくなってくると、身体機能の許容範囲を超えてしまうため、誰もが「気象病」や「天気痛」になってしまう可能性が高まります。もともと持っている病気が悪化するだけでなく、それまで健康だった人が新たに発症する可能性もあるのです。

 私はこの1年間のヨミドクターで「病は天気から」というコラムを担当し、ある意味、天気や気象を「私たち人間の健康を害するもの」として扱ってきました。しかしながら、天気や気象は、決して私たちを苦しめるために存在するのではありません。低気圧は雨を降らすことで森林を育て、大地を肥やし、川となり、海へ注ぐ。この過程で生まれるさまざまな資源で、私たちの体は守られています。気象現象は陰と陽のバランスで成り立っていて、水分を均等にするために雨が降り、気圧を平衡にするために風が吹くのです。私たちはこの地球上で暮らす限り、このような天気や気候の変化に対して順応していかなければなりません。その意味では、体調が悪いのは天気のせいとただ嘆くのではなく、天気と上手につきあうための体づくりを心がけていただきたいと思います。1年間どうもありがとうございました。(佐藤純 愛知医科大学学際的痛みセンター客員教授)

 *佐藤純の「病は天気から」は今回で終了します。

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佐藤 純(さとう・じゅん)

 愛知医科大学医学部学際的痛みセンター客員教授。中部大学教授。
 1958年、福岡県久留米市生まれ。東海大学医学部卒業後、名古屋大学大学院医学系研究科で疼痛とうつう生理学、環境生理学を学ぶ。同大学教授を経て、現職。2005年より、愛知医科大学病院痛みセンターにて、日本初の気象病外来・天気痛外来を開設。

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