Dr.イワケンの「感染症のリアル」
医療・健康・介護のコラム
ゴールポストを動かした? 「無症状感染者は6日経過 2回のPCR検査陰性で隔離解除」は正しいのか
10日間隔離後にユーロ2020に復帰したブスケツ
手前勝手な理由でルールを突然変更し、自分に都合の良いように仕向けることを、俗に「ゴールポストを動かす」なんて言います。サッカーやハンドボールなどの球技にはゴールがありますが、「ゴールポストを恣意(しい)的に動かすのはご法度ですよ」という意味です。今回は、そんな話。
セルジオ・ブスケツが新型コロナウイルスのPCR検査陽性になった、と聞いたときにはびっくりしました。
ブスケツはサッカーのスペイン代表キャプテンで、スペインの強豪バルセロナのミッドフィルダーです。現在ヴィッセル神戸にいるアンドレス・イニエスタとカタールで監督をしているシャビ・エルナンデスとともに黄金の中盤を構成したことはサッカーファンなら誰でも知っています。
ちょうどそのとき、ヨーロッパでは国別対抗のサッカー大会(ユーロ2020)が開催されようとしていました。感染者であるブスケツは初戦に出場できなくなったのでした。
幸い、ブスケツの感染は無症状なままで、特にプレーの妨げになる後遺症もなかったようです。無症状の感染者は10日経てば感染性を失い、隔離状態から解除できます。ブスケツは追加のPCR検査も陰性となり(これの必要性は議論のあるところですが)、遅ればせながら大会に参加できたのでした。よかった、よかった。
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