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「5秒で、この人だ!とわかった」…中高年の婚活が盛況 コロナ禍に一人は寂しくて

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 中高年で結婚する人が増え、婚活も盛んになっている。コロナ禍に背中を押され、パートナー探しを始める人もいるようだ。(堀家路代)

 福岡県の公務員の男性(65)と自営業の女性(62)は、昨年8月に福岡市・天神の結婚相談所ノッツェ.福岡支店でのお見合いで出会い、今年1月に婚姻届を出した。

 女性は42歳で前夫と別れ、「子ども3人との生活を楽しんできた」。だが、子どもたちが巣立って一人暮らしになり、コロナ禍で親しい友人とも会えなくなった。「お盆休みを一人で過ごすのが寂しくて。盆や正月でもコロナでも、一緒にいられる人がほしい」と、昨年7月にノッツェ.に入会した。

 男性も5年前に離婚。夜、仕事から帰っても家に誰もいないのが寂しく、退職後の人生も見据えて婚活を始めた。女性が初めての見合い相手だったが、「5秒で『この人だ』とわかった」。その場で食事に誘い、交際がスタートした。

 どちらも山登りが好きで、ソフトバンク球団会長の王貞治さんのファン。映画「男はつらいよ」シリーズは全作見ていて、「あのシーンいいよね」とわかりあえる。交際1か月で結婚を決め、双方の子どもたちも祝ってくれた。

 いろいろ経験した大人同士だからこそ、互いのこれまでの歩みを尊重しあえる――。2人は口をそろえ、「本気で金婚式を目指します」と手をとりあった。

 中高年の結婚は増えている。人口動態調査によると、2019年に結婚した人のうち50歳以上は4万5616人で、00年より約9000人多かった。結婚相談所「パートナーエージェント」が17年に50~60歳代の独身男女に行ったアンケート調査では、40・6%が結婚相手や恋人などのパートナーがほしいと回答し、7・6%が10年以内に婚活を経験。担当者は「50歳以上の方からの問い合わせは、この10年でほぼ倍増しています」と説明する。

 婚活アプリや婚活パーティーなどもあるが、結婚相談所の場合、入会時には通常、自治体が発行する「独身証明書」の提出が求められ、費用は比較的高額だ。ノッツェ.の場合、基本となる「ベーシックコース」では、入会金や相手を検索するシステムの利用費用、月ごとの活動費などがあり、年間21万650円からとなっている。「お見合い料」や「ご成婚料」を要するコースもある。

 ノッツェ.福岡支店では、今年に入って50代以上の成婚数が例年の倍程度のペースで伸びているという。松本しのぶ店長(46)は「外出を控える中で、人生について真剣に考えた方が多かったためでは」と分析する。

スピード重視で

  中高年専門の結婚相談所もある。福岡市博多区の「アンジュ・ラポール」は女性45歳以上、男性50歳以上が対象で、80歳代の会員もいる。代表の石松恵子さん(60)は、入会者の結婚への気持ちが「いつか」から「今すぐ」に変わったと感じるという。「コロナ禍で、経済的な不安や『一人暮らしで感染したら』との心配が生じていることが背景にあります」と話す。

 中高年の婚活では、婚姻届を出さない「事実婚」も少なくない。相続トラブルなどを避けるためで、子どもが「籍を入れないなら認める」というケースも。石松さんは、事実婚を選択したカップルが退会する際、一方の死後に残された側が困らないよう、財産を残す公正証書の作成を勧めることもあるそうだ。

 交際を始めたら、およそ3か月で結論を出すのがルールという。互いの時間を無駄にしないためで、石松さんは「断ると決めたら、早めに、はっきり伝えて。中高年はスピード重視で臨んでください」と力を込めた。

認証機関も登場

 安心して婚活サービスを利用できるようにするための認証機関もある。2007年に設立されたNPO法人「日本ライフデザインカウンセラー協会」は、結婚相談所が法にのっとった運営や個人情報の保護を行っているかなどを審査して「マル適マークCMS」を発行。09年設立のNPO法人「結婚相手紹介サービス業認証機構(IMS)」も事業所を審査してマークを発行しており、婚活サイトやアプリなど「インターネット型」のサービスを対象にした認証の仕組みも設けた。

 国民生活センターによると、「結婚相手紹介サービス」に関して全国の消費生活センターから寄せられた相談は20年度は約1360件。最近では「勧誘時の説明と実際のサービスが違う」「中途解約の精算金額に納得いかない」などの相談があった。

■中高年の婚活の注意点

  • 自己紹介用の写真は大事。写真館などできちんと撮影してもらう
  • 初対面時の服装は特に気を配る。女性はパステルカラーや白がおすすめ。気合を入れすぎると男性から「お金がかかりそう」と敬遠される恐れも。男性はスーツ・ジャケット着用で、ベルトと靴の色を合わせるなど身だしなみや清潔感に留意
  • お見合いに期待しすぎるとうまくいかなかった時の落ち込みが大きい。「笑顔で、淡々と」がコツ
  • 「親の介護がある」「子どもの養育費を払っている」「事実婚を希望する」などの事情は隠さず伝える

(石松さんの話を基に作成)

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