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#ぐっすり眠ろう(中)睡眠の質を保つ栄養素とは?…食の工夫

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 睡眠と食事は、密接な関係にあるとされる。福岡県久留米市に住む栄養士の西治美さん(53)は5年前から薬膳を学び、「寝る4時間前に済ませる」「香辛料や脂っこいもの、味が濃いものを控える」「消化しやすいメニューにする」など、夕食の取り方に気をつけるようになった。「以前より熟睡できるようになったと実感します」とほほえむ。

#ぐっすり眠ろう(中)メラトニンつくる食事を

「安眠スープ」を紹介する尹さん

 西さんが学んでいる東方薬膳学院(福岡市)の学院長の 尹玉インユイ さん(48)が、うまく眠れない時におすすめの食材を教えてくれた。眠りが浅くて夢を多く見る人は、消化に良いレンコンやシュンギクなどを選び、胃に食べ物が残らないようにする。寝付きが良くない時は、ストレスを解消するとされるセロリやレタス、ユリ根など。ヤマイモのとろみや甘みは、心を落ち着かせるそうだ。尹さんは「夏でも温かい食べ物の方が胃腸をいたわり、安眠につながります」と呼びかける。

 睡眠医学が専門の医師で久留米大学長の内村直尚さん(65)は、「必須アミノ酸のトリプトファンを意識して摂取してほしい」と強調する。

 トリプトファンは、脳の覚醒を促すホルモン「セロトニン」の分泌に欠かせない栄養素で、豆腐などの大豆製品、乳製品、卵、肉類、魚、バナナなどに多く含まれる。セロトニンには精神を安定させる働きがあるほか、夜になると眠気を誘うホルモン「メラトニン」に変化する。メラトニンが多く作られることで、夜は自然と眠くなるという。

 セロトニンやメラトニンの材料となるトリプトファンが不足すれば、不眠や睡眠の質の低下を招く恐れがある。内村さんは「トリプトファンをしっかり摂取し、生体リズムを整えることで、良質な睡眠が期待できます」と話す。

■レンコンとヤマイモの安眠スープ(4人分、尹さん監修)

【材料】ヤマイモ、レンコン各150グラム/シュンギク、あれば穂シソ各4本/だし汁800cc/(A)みりん、薄口しょうゆ各大さじ1、酒小さじ2、塩適量/(B)しょうゆ、ゴマ油適量

【作り方】

〈1〉ヤマイモとレンコンの半量をすり下ろす。残りは食感が残る程度にすりつぶす

〈2〉鍋にだしを張り〈1〉と(A)を入れ3~5分煮る

〈3〉シュンギクを湯通しして切り、(B)をあえる

〈4〉器に〈2〉を入れ、〈3〉と穂シソを盛りつける

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