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GoTo再開遠く、夏なのに観光地冷え込み…上半期「旅行業」廃業が最悪

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GoTo再開遠く、夏なのに観光地冷え込み…上半期「旅行業」廃業が最悪

行楽地は夏休みも観光客の減少が懸念される(10日、群馬県草津町で)

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 政府の観光支援策「Go To トラベル」が全国一斉停止したまま、22日で開始1年を迎えた。行楽地はワクチン効果による需要回復を期待したが、感染の再拡大で客足の低迷は続きそうだ。経営体力に乏しい宿泊業で廃業が相次ぎ、事業再開を望む声は多い。

「空室あります」

 

 今月10日、群馬県の草津温泉。東京都に緊急事態宣言が発令される前の週末でも人通りはまばらだった。中心地「湯畑」の近くにある旅館でさえ、「空室あります」という案内板が出ている。「夏も厳しいだろうな」。近くの土産物店で働く男性はため息をついた。

 草津温泉は首都圏からの観光客が7割を占める。昨年6月、コロナ禍で前年同月の4割になった宿泊客数は、トラベル事業が始まった7月に前年比8割まで回復した。草津温泉観光協会の市川薫会長は「昨年は『Go To』の効果でお盆の予約が埋まった。今年は空きがある」と不安げだ。

 JTBの推計によると、今年の夏休み期間(20日~8月末)の旅行者数は20年比で5・3%増えるが、19年比は44・8%減と大幅に悪化しそうだ。

延べ8800万人

 

 トラベル事業の利用者は、昨年7月の制度開始から12月28日の一斉停止まで、延べ約8800万人に上った。東京発着分も対象になった昨年10、11月の日本人の宿泊客数は前年同期比9割前後まで回復していた。リクルートの調査では、期間中に旅行した7割が制度を使ったという。

 トラベル事業の恩恵を受けた中小・零細規模の旅行会社や宿泊業者は少なくない。帝国データバンクによると、今年1~6月の「旅行業」の倒産・休廃業件数は112件。前年同期から倍増し、過去最悪だ。「旅館・ホテル」も140件が倒産・休廃業に追い込まれた。

 帝国データの担当者は、「『Go To』停止の長期化で、持ちこたえられなくなる事業者は増えている」と話し、倒産がさらに増える可能性を指摘する。

政府「県民割」を支援

 

 近畿日本ツーリストを展開するKNT―CTホールディングスの米田昭正社長は、「観光は旅館やレストラン、生産者までお金が流れ、経済波及効果は高い」と述べ、トラベル事業を再開する意義を強調する。

 再開論は与党からも上がる。公明党は、次期衆院選公約のたたき台となる政策パンフレットで、観光や飲食産業を支援する「新・Go To キャンペーン」を打ち出した。ワクチン接種の進展を条件に、再開を検討するとの内容だ。

 もっとも、道のりは険しい。再開は感染者数や病床の 逼迫ひっぱく 状況を示す4段階の指標で、上から3番目の「ステージ2」相当以下になる必要がある。感染拡大につながるとして再開に慎重な声も多く、一筋縄ではいかなさそうだ。

 政府は、トラベル事業の代替策として都道府県内の旅行を促す自治体独自の割引(県民割)に財政支援を行っている。今後は、県境をまたぐ旅行も支援の対象に加えることも検討するという。

  ◆Go To トラベル= 国の需要喚起策「Go To キャンペーン」の一つ。1人1泊2万円を上限に、国内旅行代金の最大半額を補助する制度。補助額のうち、7割が旅行代金の割引に、3割はお土産や飲食代に使える地域共通クーポンとして付与される。

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