一病息災
闘病記
[タレント・女優 青木さやかさん]パニック症(3)お守りのように持ち歩いていた薬 今は…
心療内科の治療では、毎日飲む抗うつ薬、発作が起きそうな前に飲む抗不安薬と、最初の頃は睡眠導入剤も処方されていた。
仕事が忙しくて休めない事情なども、医師はよく分かってくれた。2週間に1回通院して相談しながら、薬の量や飲み方について細かく調整した。
薬のおかげで症状はよくなった。当時はいつも、薬のことが頭の片隅にあった。薬は「生活の中のどの持ち物よりも重要」だった。
だが、薬を飲んでいる間は、決して病気が治った状態というわけではないことも自分で分かっていた。
ある時、たまたま薬の飲み忘れが重なったことがあった。飲み忘れて調子が悪くなったことは以前にもあったが、飲み忘れていたことさえ忘れていたことに、自分でも驚いた。
あれほど大切だった薬を、飲まなくても大丈夫な日が次第に増えた。それとともに、病院への足も遠ざかっていった。
薬を飲まなくなってもしばらくは、いざという時の安心のために、小さな袋に入れてお守りのように持ち歩いていた。今はそれも必要でなくなった。
今でも調子が悪い日が、ないわけではない。「倒れた記憶があるので、またなるかもという不安はあります」。ただ、そんな時でも「薬なしでチャレンジしてみようかといった感じ」で、日々を過ごしている。
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タレント・女優 青木さやかさん(48)
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