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医療・健康・介護のコラム

『東大教授が本気で教える 「ひざの痛み」解消法』 福井尚志・深代千之監修

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『東大教授が本気で教える 「ひざの痛み」解消法』 福井尚志・深代千之監修
『東大教授が本気で教える 「ひざの痛み」解消法』 福井尚志・深代千之監修

 中高年になると悩む人が増える、ひざの痛み。「年だから仕方ない」と我慢している人も多いかもしれないが、もし歩けなくなったら生活への影響はあまりに大きい。そうならないために、本書で、ひざ関節のメカニズムから痛みが生じる原因、改善策などを学び、早めに症状の進行を防ぎたい。

最も多い変形性ひざ関節症

 ひざの痛みの原因は様々だが、最も多いのが変形性ひざ関節症。加齢とともに関節軟骨がすり減って起きるといわれているが、本書を監修した東京大学大学院教授で整形外科専門医の福井尚志さん(写真)は「単純に軟骨がすり減ることで痛みが出るわけではない。エックス線で軟骨のすり減りがあると判断された人でも、膝が痛くて困る人は3人に1人。残る2人は痛みもあまりなく、困らずに生活できます」と話す。

痛みの原因は主に二つ 初期なら改善可能

 福井さんによると、変形性ひざ関節症の痛みが出る原因は主に二つ。一つは、クッションの役目を果たす軟骨がすり減ることで、骨に強い衝撃がかかるようになった結果、骨の内部に細かな骨折が生じて痛みを引き起こすパターン。もう一つは、すり減った軟骨の破片が、関節を包んでいる滑膜を刺激して炎症が起きるパターン。軟骨が減っても、こういった変化がなければ強い痛みは生じない。また、こういった変化が生じても、初期なら適切な治療で痛みは改善する。しかし、同じような変化を繰り返した場合は、関節内に変化の痕が蓄積して痛みが治りにくくなり、慢性化してしまう。そうなると、手術以外では痛みを取り除くことが難しくなる。

 福井さんは「痛みが生じた時に大切なのは、痛みが軽くなるのを待って適切なリハビリを始め、症状を繰り返さないようにすることです」と話す。

適切にひざを動かすことが大事

 痛みを改善するために誰でも簡単にできるのが、適度にひざを動かすことだという。「痛みが強い時は無理してはいけないが、症状が悪化しない程度に適切な運動をすることは大事」という。正しく運動することで、ひざ周囲の筋肉がしっかりして関節が安定するため、痛みが軽くなる効果が期待できるという。

 そのほかに効果的な対策として福井さんは、関節の保温や、肥満気味の人は体重を減らして関節への負担を減らすことなどを挙げる。「夏場でもエアコンなどの風が当たってひざ痛を感じる人もいるので、サポーターやひざ掛けなどでひざを冷やさないように工夫することも大事です」とのこと。

 本書の前半は、ひざの痛みの基礎知識や関節のメカニズムを詳しく解説。後半は痛みのタイプごとにお勧めの体操やマッサージの方法が紹介されており、症状がある人はすぐに活用できそうだ。(中央公論新社 1540円)

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