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中川恵一「がんの話をしよう」

医療・健康・介護のコラム

華岡青洲 もう一つの「世界初」とは

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世界で初めての全身麻酔を実施

華岡青洲 もう一つの「世界初」とは

 がん治療は、放射線治療、薬物療法、外科手術が三つの柱です。

 このなかで、放射線治療は125年、抗がん剤は75年くらいの歴史しかありません。一方、手術の起源は、四大文明の時代にまでさかのぼります。

 紀元前1650年頃の古代エジプトのパピルスには、乳房の腫瘍を切除した記録が残されています。また、古代ギリシアの歴史家ヘロドトスも、ペルシャ帝国ダリウス大王の妻の乳がん手術について、記録しています。

 洋の東西を問わず、画像診断などなかった時代、がんと言えば、乳がんを指しました。がんの外科手術もまた、乳がんを中心に続けられていました。

 しかし、麻酔がありませんでしたから、手術は拷問です。痛みに耐えかねて泣き叫び、暴れる女性を、押さえつけて行う手術はうまくいくはずがありません。短時間で手術を終えなくてはならず、手術結果は惨憺(さんたん)たるものでした。

 世界で初めて全身麻酔による手術が行われたのは、実は日本です。江戸時代の医学者「華岡青洲(はなおか・せいしゅう)」は1804年、世界で初めて、全身麻酔による手術を行ったことで有名です。エーテルによる全身麻酔が西洋で行われるより40年以上も前のことです。

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中川 恵一(なかがわ・けいいち)

 東京大学大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。
 1985年、東京大学医学部医学科卒業後、同学部放射線医学教室入局。スイスPaul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、社会保険中央総合病院(当時)放射線科、東京大学医学部放射線医学教室助手、専任講師、准教授を経て、現職。2003~14年、同医学部附属病院緩和ケア診療部長を兼任。患者・一般向けの啓発活動も行い、福島第一原発の事故後は、飯舘村など福島支援も行っている。

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