介護のキホン
医療・健康・介護のコラム
マシンを使った筋力トレも…目的に合わせて活用<特化型デイサービス>
デイサービス(通所介護)には、筋力アップのトレーニングを中心とした「リハビリ特化型」の施設や、認知症の人の受け入れに強い施設などもあります。目的や状況に合わせてうまく活用すれば、心身の健康や快適な生活につながりそうです。
前回、一般的なデイサービスのイメージとして、朝から夕方まで、食事や入浴をしたり、体操やレクリエーションを楽しんだりして過ごす例を紹介しました。特化型のデイサービスでは、日中に何をして過ごすかが大きく変わってきます。
リハビリ特化型では、それぞれの体力や状態に合わせてマシンを使った筋力トレーニングをしたり、理学療法士や柔道整復師などの下でストレッチをしたりします。健康状態に合わせた生活指導を受けられる施設もあります。
自立した暮らしを後押しするのが目的で、施設での滞在時間は午前中だけ、午後だけ、と短くして、昼食や入浴介助といったサービスは提供しない施設が多いようです。
利用者には、比較的元気で、体力維持のための運動に興味がある人が多く、交流の時間や、介助が中心の一般的なデイサービスとは、活動の重点が違います。介護が必要な程度が低い、要支援1、2の人が利用できるのも特徴です。
東京都内などで28か所のリハビリ特化型デイサービスを展開する「ベストリハ」の広報担当、小林美希さんは「専門家の指導を受けながら、継続的に体を動かせます。住み慣れた自宅で、なるべく自立した生活を続けたいという人におすすめです」と話します。
料金の水準は一般的なデイサービスとほぼ同様。例えば、要介護1の人が「3時間以上4時間未満」利用した場合、1回400円程度(自己負担1割の場合)。個別にリハビリを受けたり、入浴、食事のサービスを利用したりした場合の費用は別途かかります。
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デイサービスには「認知症対応型」もあります。入浴や食事、排せつの介助といった一般的なデイサービスの内容に加え、塗り絵など手を動かすレクリエーションや、椅子に座ったまま行うトレーニングなど、脳の活動を意識した予定が組まれています。
定員が12人以下と少人数なのも特徴。認知症の症状は人それぞれですが、専門の知識を持つ看護師や作業療法士らが、一人一人にきめ細かい対応を心がけてくれます。
スタッフの配置やケアが手厚いことから、料金は少し高めです。例えば、要介護3で、「7時間以上8時間未満」利用すると、1日1200円程度(同1割の場合)です。
「弥生高齢者在宅サービスセンター 認知症対応型通所介護」(東京都中野区)では、利用者宅で洗濯する衣類を預かって、滞在中に洗うサービスも提供しています。責任者で認知症ケア専門士の坂本美紀さんは「ヘルパーのような役割も担い、家族の負担軽減も含めた幅広いサポートをしています」と説明します。
一般のデイサービスでも運動はしますし、認知症の人も受け入れています。特色のある施設を選ぶか、一般のデイサービスにするか、ケアマネジャーに希望する過ごし方を伝え、よく相談しましょう。自宅が送迎の範囲内かどうかや、食事などの追加料金の確認も大切です。(平井翔子)
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