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がん患者団体のリレー活動報告

医療・健康・介護のコラム

NPO法人いきいき和歌山がんサポート

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NPO法人いきいき和歌山がんサポート

NPO法人いきいき和歌山がんサポートのシンボルマーク

 和歌山県のがん対策の指針となる「和歌山県がん対策推進条例」の基本理念に「七位一体の取組」があります。七位一体とは、〈1〉患者・家族〈2〉医療〈3〉議会〈4〉教育〈5〉企業〈6〉行政〈7〉メディア――の七つの分野が協力し合い、環境を作ることを意味します。がん患者とその家族の様々な悩みや不安を軽減・改善するためには、この七つの分野が協力し合い、がんになってもいきいきと暮らせる環境をつくり出さなければなりません。

 私たちのNPO法人は、がんになってもいきいき暮らせる街に和歌山がなってほしいという思いを胸に、七位一体を目指してがん患者とその家族のために活動しています。活動するスタッフは、がんになった経験やがん患者のケアを通して得た「形式知(客観的な知識)」や「暗黙知(主観的・個人的な知識)」を基に、患者やご家族の様々な悩み、相談に傾聴し、一緒に考え、支援しています。

「医・職・住」をテーマに学習会

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和歌山市の県立図書館のふれあいルームで開かれた学習会。終了後に参加者がリラックスして近況を語り合った(2019年6月)

 人間は本来、自分のために自分をケアする力を持っています。これを「セルフケア能力」「患者力」とも言いますが、その能力を養うためには正しい情報を得て学習する力をその個々人で発達させることが重要です。

 NPO法人いきいき和歌山がんサポートでは、学びの場である和歌山県立図書館の協力を得ながら学習会を定期開催しています。

 新型コロナウイルス感染症の拡大により一時的に休講していましたが、今年6月よりオンラインでの学習会で再開し、全国のどなたでも聴講できるシステムにしました。

学習会は「医・職・住」をテーマにし、治療や副作用、社会資源の利用方法、在宅医療のことなど様々な情報についての発信と検診参加への呼びかけを行っています。私たちは、これら情報発信の取り組みを「いきいきスマイルリレープロジェクト(県民みんなが笑顔で (つな) がろう!)」と名付けて頑張っています。

がん経験を支援に生かす

 2日間のピアサポーター養成研修を県と共催で開催し、この研修を修了した方はピアサポーターとして、がんを患った仲間のために、和歌山県内のがん診療連携拠点病院のがんサロンなど11か所で傾聴などの支援活動を行っています。

「ケア帽子」寄贈やマラソン参加

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和歌山ジャズマラソンに参加したがん患者の家族ら(2019年10月)

 がん経験者がタオルとハンカチ、フリースで「ケア帽子」を丁寧に心をこめて作り、抗がん剤の副作用で脱毛するがん患者さんにプレゼントしています。

 1年間かけて出来上がったたくさんのケア帽子は、毎年12月にクリスマスプレゼントとして、和歌山県のがん診療連携拠点病院9か所に寄贈しています。がんと闘う仲間に勇気を出して少しでも笑顔になってほしいと願い、メッセージを添えてケア帽子を贈っています。コロナ禍では、自宅でスタッフ一人一人が一生懸命コツコツ作製しました。

 また、コース沿道にジャズのライブステージが設けられ、生演奏の軽快なリズムがランナーを後押しする「和歌山ジャズマラソン」に、2015年から理事長を始め会員たちが参加するようになり、病気に負けない姿を見せて励まし合っています。「がんと闘う友達のお母さんのために走ってエールを送る」という仲間たちなど、その思いは様々。走った後の海鮮バーベキューも好評です。

治療と仕事の両立支援

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患者支援団体「CSRプロジェクト」(東京)の桜井なおみ代表理事が、がん患者の「治療と仕事」をテーマに講演した様子(2017年11月、和歌山市の県立図書館で)

 働き方改革が進む中、私たちのNPO法人では社会保険労務士さんたちも一緒に活動してくれています。

 コロナ禍前までは、患者、家族、企業、社会保険労務士、行政、医療従事者などが一緒に、治療と仕事の両立での課題の抽出と支援方法について考え、意見を交わすワークショップなどを開催していました。カフェのようにリラックスした雰囲気の中で話し合う「ワールドカフェ形式」の会合では、それぞれの垣根を越えたフラットな関係の中から様々な課題が浮き彫りになりました。現在はその課題解決に向けて、社労士さんを始めとする関係者たちが日々奮闘中です。

NPO法人いきいき和歌山がんサポート

 2010年設立。「がんになってもいきいきと暮らせる和歌山に!!」をコンセプトに、スタッフ全員がいきいきと活動。12年に制定された和歌山県がん対策推進条例の策定過程に協力。12年から、がん患者ピアサポーター養成研修を開催し、15年に和歌山県立医科大学付属病院と共催で「がんサロン」をスタート。学習会や講演会を通した「がんに係る正しい情報の発信」を実施。21年度よりITツール(YouTubeやZoom)を介した学習会を企画・開催している。

ホームページ  https://www.ikiiki-wakayama.com/

 このコーナーでは、公益財団法人 正力厚生会が助成してきたがん患者団体の活動を、リレー形式でお伝えします。

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公益財団法人 正力厚生会

 正力厚生会は1943年(昭和18)に設立され、2009年に公益財団法人となりました。「がん医療フォーラム」の開催など、2006年度からは「がん患者とその家族への支援」に重点を置いた事業を続けています。
 現在は、医療機関への助成と、いずれも公募によるがん患者団体への助成(最大50万円)、読売日本交響楽団弦楽四重奏の病院コンサート(ハートフルコンサート)を、事業の3本柱としています。
 これからも、より質の高いがん患者支援事業を目指していきます。
 〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1 読売新聞ビル29階
 (電話)03・3216・7122   (ファクス)03・3216・8676
  https://shourikikouseikai.or.jp/

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