教えて!ヨミドック
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「イライラする」「集中できない」子どもにコロナのストレス?…親の在宅増えても、話しかけにくく
Q 運動会が、新型コロナウイルスの感染拡大で中止され、子どもの元気がなくて。
ヨミドック 子どもは日々成長します。その時にしか経験できないことがあり、大人の感覚とは違います。コロナ下でもう1年半、いろいろ我慢してきたんでしょう。
Q ストレスたまるね。
ヨ 国立成育医療研究センターは、コロナ感染拡大の初期から小・中・高校生へのアンケート調査を続けています。今年2~3月に約500人を対象に行った5回目の調査では、「身体的健康」の平均点は1、2回目の調査より明らかに下がりました。
最近1か月の気持ちや様子を聞くと、76%にストレス反応がみられ、「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」42%、「すぐにイライラする」37%、「最近集中できない」32%などが目立ちます。
Q わかるよ……。
ヨ 先生や大人への話しかけやすさや相談しやすさが、この1年で「コロナによって減った」と多くが回答しています。中学生では「少し減った」と「とても減った」を合わせて54%。「増えた」「とても増えた」は計12%でした。年齢が上になるほど「減った」の割合は高まり、高校生では計59%でした。
Q テレワークなどで親の在宅時間は増えたのでは?
ヨ 大人の側に精神的余裕がないと思われます。子どもはコミュニケーション不足を感じているはず。学校ではマスクも原因かもしれません。表情が読めないと、声をかけるきっかけがつかめません。
Q 思っていることを、だれかに話すことが大事だね。
ヨ 一人の時は、文字や絵にしたり、声に出したり。今回の調査では、どうやって気持ちを楽にしているかを自由に書いてもらいました。「ぬいぐるみを抱いて眠る」(小3女子)、「帰宅後にマスクを破く」(高1女子)、「鉄道の絵を描く」(小2男子)、「推しのことを考える」(小5女子)などがありました。
Q 子どもも頑張ってる。
ヨ 同センターがウェブサイトで「気持ちを楽にする23のくふう」として公開しています。よく眠れない、食欲が落ちたなど小さな変化でも、かかりつけの小児科医に相談してみましょう。子どもも話しやすく、適切な対応が期待できます。
(小屋敷晶子/取材協力=半谷まゆみ・国立成育医療研究センター社会医学研究部研究員、峯真人・峯小児科院長)
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