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#コロナ療養に備える(下)「感染した家庭からは預かれない」と断られ…ペットどこに託す?

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 ペットを飼っている人が新型コロナウイルスに感染して入院したり宿泊療養施設に入ったりする場合、その間のペットの世話をどこかに託す必要がある。

#コロナ療養に備える(下)ペット預け先事前に手配

老犬ホームに滞在中のゴン太(左、トップ提供)

 4月に感染が判明した福岡市の女性(50)は、同居する70歳代の両親も感染して入院。困ったのが、半身不随で介護が必要な飼い犬ゴン太(11)の世話だった。頼める知人はおらず、40度近い高熱に苦しみながら宿泊療養先のホテルで預け先を探した。

 最初に連絡した福岡県内の施設からは「コロナに感染した家庭からは預かれない」と断られた。次に連絡したのが熊本県菊池市の老犬ホーム「トップ」で、翌日には女性宅へゴン太を引き取りに行ってくれた。女性はその後入院し、ゴン太は老犬ホームに約1か月滞在。女性は「まさか自分が感染するとは考えていなかった。預かってもらい助かった」と感謝する。

 環境省動物愛護管理室は「新型コロナウイルスがペットから人に感染した例は報告されていない」とした上で、家族や知人、ペットホテルなどの預け先を事前に決めておくよう勧める。東京都獣医師会は、飼い主が感染して預ける場合の注意点をホームページ上で紹介している。

 預け先が見つからない場合、相談に応じる自治体もある。福岡市では、市動物愛護管理センターで昨年5月以降、今年7月上旬までに36頭の犬猫を預かった。保健所からの依頼により、職員が飼い主宅まで引き取りに行くという。ただ、介護を要するペットなど、対応が難しい場合もある。担当者は「まずは飼い主自身で預け先を探してほしいが、コロナを理由に断られるケースもあると聞く。飼い主が安心して療養できるよう支援したい」と話す。

 (このシリーズは堀美緒が担当しました)

■ペットを飼う人に必要な感染への備えや注意点

・もしもの時の預け先を決めておく

・ペットとの過度な接触は控え、触れた後は手洗いなどをする

・ペットの情報(名前、年齢、性別、不妊去勢手術の有無、運動習慣、飼育上の注意点、かかりつけの動物病院名など)をノートなどにまとめておく

・ペットフードは多めに買い足す。好きなおやつなども用意しておくと、預ける際に新しい環境に慣れやすい

・ペットが服用している薬は、多めに処方してもらう

・預け先には、本人や濃厚接触者ではない人が連れて行く。引き取りに来てもらう時はキャリーバッグで渡すなど接触を減らす

(環境省、東京都獣医師会の資料から)

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