「過活動膀胱」で外出が怖い
過活動 膀胱 です。1日1回程度、突然強い尿意があり、おもらしも何度か。ベタニスを服用、骨盤底筋運動もしています。外出が怖くなり尿取りパッドをします。出産経験はありません。(38歳女性)
不安で悪化 尿意の時は深呼吸
加藤久美子 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院女性泌尿器科部長(名古屋市)
我慢できない突然の尿意で、頻尿や切迫性尿失禁が起こる状況を「過活動膀胱」と言います。加齢による膀胱の血流低下の影響が指摘されています。せきや運動で漏れる腹圧性尿失禁は出産などによる骨盤底の緩みに起因し女性に多いのですが、過活動膀胱は男女とも加齢で増え、40歳以上の日本人の14・1%にあると推定されています。
処方薬は抗コリン薬、β3作動薬の2系統があり、抗コリン薬は一部に口内乾燥、便秘の副作用があります。β3作動薬のベタニスが効かないなら、薬の変更や併用も考えます。尿失禁が毎日ある重症例で内服薬が効かない人は、2020年から保険適用になったボツリヌス療法(膀胱壁注射)も期待が持てます。
質問者は、漏れるのではという不安で病状を悪くしている可能性があります。水分やカフェインの取り過ぎに注意し、冷え対策をとることは有効です。尿意が起きてもあわてず深呼吸し、骨盤底筋訓練のコツで出口を引き締めると尿意が一度引いたりします。排尿日誌(排尿の時刻と量、尿失禁の有無を数日間記録)で尿失禁の頻度を確認してください。40歳以上の女性で尿失禁のある人は44%と言われます。少々の尿漏れは当たり前と太っ腹に受け止めることも大切です。