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コロナ禍 神戸<1>予感 忍び寄る変異型

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 3月初旬。神戸市の北須磨訪問看護・リハビリセンター所長、藤田愛さん(55)は、言い知れない不安を感じていた。ある男性(享年83)の死が気にかかった。

コロナ禍 神戸<1>予感 忍び寄る変異型

フェースシールドなど感染防護の「七つ道具」を点検する藤田さん(神戸市の北須磨訪問看護・リハビリセンターで)=八木良樹撮影

 男性の妻から訪問看護の依頼があったのは、半月ほど前だ。訪問が始まってすぐに新型コロナウイルスの感染が分かり、男性は感染者を受け入れる病院に入院した。症状が悪化し、人工呼吸器をつけた。

 男性の妻は混乱に陥った。2人暮らし。石を投げられるような差別を受ける恐怖で、「夫がコロナ」とは口にできない。面会も禁止。「夫に会いたい」と話した。やがて、妻からの連絡が途絶えた。心配になって電話をし、男性が亡くなったと知った。

 コロナは、こうして感染者一人ひとり、家族一つひとつの人生を、あっという間に破壊する。コロナ感染者の数だけ人の暮らしが変わるのだ――。

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