なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」
医療・健康・介護のコラム
告知しても4歳長男は卵子提供に理解も興味もなし 子供の感じ方は最大限に尊重したい
一緒に暮らすことで似てくる親子
今現在、我が家の場合は、ドナーに興味を示さない長男に合わせて、誕生日以外の日には卵子提供やドナーの話などは一切せずに暮らしています。私自身も「子供たちの母親は、この世にたった一人。私だけだ」と思っていますので、普段はドナーを意識することはほとんどありません。先日も長男が「○○ちゃん(長男の名前)とママは目が似ている、○○ちゃん(次男の名前)とママは口が似ている」と言ってきたので、「そうだね!」と応じたように、長男の感じていること、言っていることを尊重しています。
そして、皆さんが気になるもう一つに、容姿のことがあるかと思いますが、私が卵子提供で産んだ子供を育てていて感じるのは、長い年月一緒に暮らしていると、家族は似てくるんだなぁと言うことです。子供が成人するまで同居すると、24時間×365日×20年、これだけ長く一緒に暮らしていたら、どんな親子でも似てきてしまいます。夫婦ですら、長い年月を一緒に暮らせば、食べ物の好みや価値観などが似てきますよね。一緒に暮らすことによって、親の長所、短所の両方から、子供は大なり小なり、無意識に影響を受ける部分が多分にあると思うのです。
長男は、私の話し方と同じように話すことが多くて、困ってしまうこともあるのですが(笑)、最近では、夫にしかられて涙を耐えている表情が私にそっくりだったので、「きっと私もこんな顔しているんだろうな」と思いました。年月を重ねるごとに、表情などが「似てきたなぁ」と思うことが増えました。それくらい子供は、親が思う以上に親のことをよく見ていますし、親のことが大好きなんです。
きっと、どこの家庭でも同じだと思います。ほとんどの親御さんが「私の悪いとこばっかり似て困るのよ〜」と思っていらっしゃるのではないでしょうか? しかし、その顔はどこかうれしそうだったりします。
卵子提供で子供を産んだ私たちも全く同じです。時に笑い、時に涙し、ドタバタとあわただしく日々は過ぎていき、どこにでもある「普通の家族」です。皆さんと全く同じです。
それぞれの家庭に、その家族のあるべき姿がある
このように書くと、もしかしたら読者の中には「告知がある時点で普通とは違うだろう」と思う人がいるかとは思いますが、そのように「区別すること」はマイナスを生むだけで、何もプラスを生み出さないと私は思っています。家族という意味では皆同じだけれど、「それぞれの家庭に、その家族のあるべき姿がある」と私は思っていて、私は子供たちにそのように伝えたいなと思っています。
卵子提供で生まれた子供が「うちは普通じゃない」と感じておらず、むしろ他の家庭と同じだと感じていたら(実際には、そのように感じている子供もいます)、どうか皆さんはそんな子供の気持ちを尊重してあげてほしいと思います。
こちらは、長男が幼稚園で私のために作ってくれた折り紙です。この折り紙を長男から手渡された時に「ママのこと好きって思いながら作った」と言われました。
今回のコラムをお読みくださった皆さんが、少しでも前向きに私たち当事者について受け取っていただけたら、とてもうれしいなと思います。(なかさとみ)
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